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「伝統の技」 × 「現代の技・アイデア」で未来の伝統工芸の形を創造

伝統工芸のリ・デザインに焦点を当て、伝統の技と現代の技・アイデアを組み合わせて未来の伝統工芸を創造することを目指すプロジェクト「Bank of Craft」。J & J事業創造が立ち上げたこのプロジェクトでは、現代のクリエイターが伝統工芸の文脈からインスピレーションを得て、伝統を尊重しつつも、新しいデザインや商品を生み出すためのコラボレーションが始まった。adf-web-magazine-re-designing-traditional-crafts-1

リ・デザインは現代クリエイターが“伝統”を学ぶことから始まる

プロジェクトの中心的なアプローチは、「リ・デザイン」と呼ばれ、伝統工芸を現代クリエイターが自身の解釈で再構築するものとなる。伝統工芸事業者や職人との交流を通じて伝統に裏打ちされた技術や美意識、誇りなどを理解し、そこから新たなアイデアを得る。取り組みは伝統工芸産業の収益性向上と継承・発展を目的とし、「Bank of Craft」は新たな収益機会の創出や支援モデルの確立を目指す。

4つの異なるカテゴリーでデザイン

福岡の「博多織」や群馬の「桐生織」など、各地域の伝統工芸を取り上げ、企業、SDGs、地域、デジタルの4つの異なるカテゴリーでデザインを展開する。

企業コラボレーション:福岡「博多織」 × 伊藤園 × Masatoo Hirano
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福岡空港に設置された自動販売機

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博多織の献上柄(写真左上)と華扇柄(写真左下)。右は Masatoo Hiranoによるリ・デザイン

780年以上もの歴史を持つ博多織。928年創業の博多織メーカー 鴛海織物工場と、緑茶飲料ブランド「お~いお茶」を生産販売する伊藤園、そしてクリエイターの Masatoo Hiranoがコラボ。福岡空港の国際線旅客ターミナルビルに設置されている伊藤園の自動販売機1台に、Masatoo Hiranoがリ・デザインした博多織柄をラッピングし、海外からの旅行者にも広くアピール。

SDGs コラボレーション:群馬「桐生織」 × 廃棄ビニール傘から生まれたブランド PLASTICITY × Emi Arihisaadf-web-magazine-re-designing-traditional-crafts-4
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桐生織の御召織(左)と Emi Arihisaによるリ・デザイン

桐生織は「西の西陣、東の桐生」と言われ1000年以上の歴史がある。1877年から桐生織の生産を開始した森秀織物と、廃棄ビニール傘を再利用するアップサイクルブランド「PLASTICITY」、そしてクリエイターのEmi Arihisaがコラボ。桐生織から着想して制作したリ・デザインを活用し、廃棄されたビニール傘を再利用したマルチショルダーケースを販売する。

地域コラボレーション:静岡「駿河和染」 × 茶屋すずわ(お茶問屋)× Hal Shibataadf-web-magazine-re-designing-traditional-crafts-6
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お茶染め Washizu.が考案した柄(写真左上)および生産地から見える駿河湾と富士山(写真左下)。
右は Hal Shibataによるリ・デザイン

室町時代に織物とならんで発達した染色業をルーツとする駿河和染。静岡ならではの天然染料を使ったお茶染めに、製造工程で出る商品にならない茶葉を使い、環境にも配慮した技法を考案したお茶染めWashizu.(鷲巣染物店の5代目)と、170年こだわりのお茶を作り続けてきた茶屋すずわ、そしてクリエイターのHal Shibataがコラボ。駿河湾や富士山から考案した新しい駿河和染のデザインで、お茶染めWashizu.が茶染・型染による茶巾袋を制作し、茶屋すずわがブレンドした煎茶、和紅茶、和烏龍茶を詰めたお茶パックを販売する。

デジタルコラボレーション:京都「西陣織」 × NFTデザイン × Masahiko Kajima
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Masahiko Kajima 氏が西陣織柄から考案したデジタルデータ(イメージ)

西陣織の源流は1200年前に遡ると言われ、奈良~平安時代に朝廷の命令により高級織物としての生産が開始。西陣織の織元である京都西陣おおば、安田、今河織物の3社の後継者が西陣の新たな文化を発信するために立ち上げたグループ「N180(ニシジンワンエイティ―)」と、クリエイターのMasahiko Kajimaがコラボ。NFT購入者には西陣織柄から考案したデジタルデータと、テーブルランナーをセットで販売する。