ゲーリー独自の美学とフォルムに対する絶え間ない実験
ルイ·ヴィトンが建築家フランク・ゲーリーとの長年にわたるコラボレーションを通じて製作された作品セレクション「Frank Gehry × Louis Vuitton」コレクションを2023年12月8日(金)から10日(日)まで「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」で発表した。ルイ・ヴィトンは今年のアート・バーゼルのアソシエイト・パートナーを務めている。
作品が展示される特別デザインのブースは、ゲーリー独自の美学とフォルムに対する絶え間ない実験を表現している。彼のデザインプロセスにおいて、常に中心的な役割を果たしてきた木材や厚紙による模型が展示され、5体の包み込む帆のようなメッシュ構造は、自身が2014年に手掛けたメゾンのウィンドウ・ディスプレイを彷彿させる。彼にとって大切な4つのテーマ「建築とフォルム」、「素材の探求」、「動物」、「Celebrating Monogram」のために自身が制作した「ツイステッド ボックス」に沿って構成された展示品には、さまざまなバッグ、トランク、香水ボトル、オリジナルアートワーク、下絵、そして建築模型などが含まれる。
ブースではリミテッドエディションの「Louis Vuitton × Frank Gehry」バッグ・コレクションが世界で初めて登場。本カプセル・コレクションは先述のテーマのうち3点(「建築とフォルム」、「素材の探求」、「動物」)を軸としている。アイコニックなバッグ「カプシーヌ」や「ツイステッド ボックス フランク・ゲーリー」、そして彼の2014年の彫刻作品《Bear with Us》をベースにした注目の「ベア・ウィズ・アス クラッチ」などのデザインも特徴的。
香水ボトルから着想を得たガラスのような樹脂製の花びらと、ゲーリーによるパリのアイコニックな建築物、フォンダシオン ルイ・ヴィトンのために生み出したロゴを想わせるハンマー仕上げの「LV」が施された「カプシーヌ・MINIブロッサム」など、それぞれのバッグにはゲーリーのデザイン力とルイ・ヴィトンの卓越した手仕事やサヴォアフェール(匠の技)のユニークな融合が表現されている。
ブースでのもうひとつのハイライトとして、創業者ルイ・ヴィトン生誕200年を祝して開催された「200 Trunks, 200 Visionaries:The Exhibition(200点のトランク、200名のビジョナリー)」展のためにゲーリーが特別に制作したトランクの展示も挙げられる。ルイス・キャロルの1865年の小説『不思議の国のアリス』をモチーフにトランクに収められた独創的なフィギュアによる創業者に捧げるお茶会のシーンが再現される。
加えてフレグランスコレクションの香水ボトルなどフランク・ゲーリーがルイ・ヴィトンのために手掛けたプロジェクトやアート作品が多数展示されたほか、それらを紹介するビデオ、ゲーリーの肖像画も展示された。
アート・バーゼル
1970年にバーゼルの画廊主たちによって創設されたアート・バーゼルは、今では、バーゼル、マイアミビーチ、香港、パリを拠点に、モダンおよびコンテンポラリーアートの世界第一級の美術展を開催。各展覧会は主催する都市や地域ごとにユニークで、参加するギャラリー、展示作品、および各回ごとに地元文化施設と共同で制作される併催プログラムの内容に反映される。
ルイ・ヴィトン
1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンは革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けている。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じてクリエイティブでありながらエレガントで実用的である、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神を忠実に受け継いでいる。伝統を重んじつつ「大胆さ」を尊び、歴史の中で建築家、アーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ & ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓。これらの丁寧に製作された製品はルイ・ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっている。