“世界のTANGE”特別展、3会場をめぐる建築の旅
「丹下健三 - 世界のTANGE - 特別展」が今治市内の3会場で2025年8月2日(土)から9月28日(日)まで開催中。昨年パリで開催され注目を集めた「丹下健三と隈研吾 東京大会1964 / 2020の建築家展」の凱旋展を含む、3つの異なるコンテンツがそれぞれの会場で開催、すべて無料で入場できる。”世界のTANGE”が目指したまちづくりや都市デザインに触れることができる特別な機会となっている。
都市をデザインした建築家 丹下健三が今治に遺したもの
丹下健三(1913年~2005年)は、幼少期の約10年間を今治市で過ごした。広島平和記念公園などを手がけ、日本を代表する建築家としての名声を得ていた1958年、当時の今治市長で幼馴染でもある田坂敬三郎の”三顧の礼”に応じて、今治市庁舎、今治市公会堂を設計。後に完成した今治市民会館を加え、3つの作品が“コの字型”に配置され、港から一直線に伸びる大通り(広小路)を軸としたデザインは、「建築を単体でみるのではなく、都市の機能や風景の一部として考える」という、丹下の理念が具現化されたものとなっている。
1950年代から1990年代にかけて建てられた丹下作品が市街中心部に集積する今治市は、丹下建築の変遷を一つの都市で辿ることができる世界で唯一の場所。今治市では、これまでも丹下の功績を顕彰しながら、現代のまちづくりに活かす取組を進めてきた。
特別展の内容と会場
世界のTANGEビジターセンター/海と都市のデザイン展(今治市民会館)
丹下作品のひとつである今治市民会館で開催されている本展のメイン展示は今治市中心市街地の巨大模型(2.5m×1.7m)。丹下が描いた都市の未来像を俯瞰で体感できる。丹下が手がけた市庁舎・公会堂・市民会館の模型や、注目の写真家・瀧本幹也氏が撮り下ろした写真が公開されている。
日時:2025年8月2日(土)〜9月28日(日) 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
丹下健三と隈研吾 東京大会1964/2020の建築家展 パリから今治へ(玉川近代美術館)
本展で展示される特別製作された巨大な「明治神宮内苑・外苑模型」は、先行したパリでの展覧会でも話題になった。加えて、国立代々木競技場や国立競技場といった日本を象徴するオリンピック建築のレガシーの展示も観覧できる。「愛媛信用金庫今治支店」「愛媛県民文化会館」など昭和時代に作成された貴重な模型も公開されている。
日時:2025年8月2日(土)〜9月28日(日) 9:00〜17:00(入館は16:30まで)※月曜日休館(祝日の場合は翌日)
丹下健三と今治/マンガふるさとの偉人展(河野美術館)
子どもたちにも丹下や建築を身近に感じてもらいたいという思いで、今治市が作成したマンガ「丹下健三~世界のタンゲと呼ばれた建築家~」の原画や丹下の生涯が親しみやすく紹介されている。
日時:2025年8月2日(土)〜9月4日(木) 9:00〜17:00(入館は16:30まで)※月曜日休館(祝日の場合は翌日)
「丹下健三顕彰シンポジウム」も開催
「丹下健三顕彰シンポジウム」が今治市公会堂で9月13日(土)11:00から14:20まで開催される。第1部は隈研吾(建築家)×木村宗慎(茶人)の対談「建築と日本文化」。第2部では隈研吾、丹下憲孝(建築家)、徳永繁樹今治市長が登壇し、「丹下健三に学ぶ未来へ向けたまちづくり」をテーマに議論。コーディネーターは特別展の監修を務めた豊川斎赫(建築家)が務める。「世界のTANGE」の理念を今治のまちづくりへどう反映させるのか、来場者と共に未来の都市像を考える。参加には専用フォームから事前申込が必要。
「丹下健三-世界のTANGE-特別展」開催概要
| 会期 | 2025年8月2日(土)〜9月28日(日) |
| 会場 | 今治市民会館、玉川近代美術館、河野美術館 |
| URL | https://kenzotange-imabari.jp/ |

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