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「安藤忠雄初期建築原図展」について

立近現代建築資料館は、安藤忠雄の「初期」建築資料、1990年頃までの手描きによる建築設計図面とスケッチなどを用いて、「安藤忠雄初期建築原図展」を2019年9月23日まで開催中。「住吉の長屋」(1976)、「小篠邸」(81)、「六甲の集合住宅Ⅰ」(83)、「TIME’SⅠ」(84)、「城戸崎邸」(86)、「水の教会」(88)、「光の教会」(89)などの国内に現存する作品の図面が展示される。

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展覧会のテーマである「個の自立と対話」は、都市・自然・光・歴史風土などとの対話を通して個々人が自らを見いだし、深め、自立するための空間づくりを追い求めた、「初期」の安藤忠雄が常に抱いていた思い(基本理念・動機)を表すもの。

「私は1枚の図面の中に設計者の意思を凝縮させたい」と、安藤忠雄は言う。実際、安藤忠雄の「空間」に対する思いそのままに、平面図に、断面図・透視図・アクソノメトリック図等を重ね合わせ、3次元性を高めた精緻で美しい図面が展示される。

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また、本展の特別企画として、7月23日に安藤忠雄氏によるギャラリートークが開催された。

■ギャラリートーク第一回
進行役:川向正人(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
ゲスト:安田幸一氏(東京工業大学教授)、国広ジョージ氏(国士舘大学教授)、城戸崎和佐氏(京都造形芸術大学教授)

■ギャラリートーク第二回
進行役:川向正人(当館主任建築資料調査官、東京理科大学名誉教授)
ゲスト:中谷礼仁氏(早稲田大学教授)

手書きの図面、コンピューターの図面

安田幸一氏(東京工業大学教授)
「手描きの図面には、修正した筆跡が残っていますよね。今の図面はCADやBIMを使うから、痕跡がすべて消える。設計者の熱意を感じ取ることができない。」

国広ジョージ氏(国士舘大学教授)
「この図面(コシノ邸)のブルー、何度も塗り重ねてこの色になっている。これは安藤さん流だと思う。」

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「コンピューターの図面で熱意を伝えることは非常に難しいですよ。でも、コンピューターから手作業に戻すのも難しいでしょう。」「何度も持ってきて描いて…手で描くのはしんどいけど、おもしろいですよ。(建築家は、図面を通して)人間と会話せにゃならん。うちの事務所はチームで作業しているから、お互いの考えていることがわかる。コンピューターは一人で完結してしまうからやっかい。」

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左から川向正人、安藤忠雄、中谷礼仁

城戸崎和佐氏(京都造形芸術大学教授)
「震災があったとき、電気が使えないからみんな手描きで図面をひきました。今でも現場では手描きの図面が必要になる。」

中谷礼仁氏(早稲田大学教授)
「様々な種類の図面を一枚に合わせますよね。僕は本でしか見たことがなかったので、原図の時点からやられていることに本当に驚きました。レイアウトを間違えると原図は大変なことになる、ということをこれだけやられた。それも分かりやすい。一発で分かる。」

「ない」からひろがる可能性

安藤忠雄
「私は過去に手術して内臓がいくつもない。でも、海外の人からは『(こんな身体でも元気な人は)縁起がいい』と歓迎される。
英語も話せないが、周りが気を使って勝手に仕事が進んでいく。『ない』のも悪いことじゃない。ないならどうするか、どうすれば『ある』人に勝てるか、考えると良い。」

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学生へのエール

安藤忠雄
「私は大学にも行ってないし、建築の教育を受けたわけじゃない。建築を始めようとしたとき、まずは観て触ることから始めた。建築を観て触って、自分のものにする。奈良や京都に行って、建築をスケッチする。自分の想いがスケッチになる。参考書の代わりに建築がある。」

「一流企業に入るより、卒業したらどんどん海外に出てみた方がいい。熱意さえもっていればやっていける。どんなところでも生きていけるというパワーを持っていってほしい。」

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イベント概要

名称安藤忠雄初期建築原図展―個の自立と対話
会場文化庁国立近現代建築資料館
会期2019年6月8日(土)~9月23日(祝・月)会期中無休
開館時間10:00~16:30
入場料平日は入館無料