展示会概要
十和田市現代美術館は2019年9月14日より2020年1月13日まで、生物の観察と調査を通して独創的な作品を作り出すAKI INOMATAの日本の美術館では初となる個展、「AKI INOMATA: Significant Othernessシグニフィカント・アザネス 生きものと私が出会うとき」を開催します。やどかりに3Dプリンターで制作した各国の都市を提供して住み替えてもらう作品「やどかりに《やど》をわたしてみる」など、他の生きものとの協業を通して人間や社会の本質をユーモアのある表現で問いかけます。
本展のタイトル「重要な他者(Significant Otherness)」は、科学史家ダナ・ハラウェイが提唱した地球上に生きる生物種との関係のあり方より着想を得たものです。展覧会には、やどかりの作品以外にも、タコとアンモナイトについて考察した作品や、震災の影響を受けたアサリを観察した作品、小さく刻んだ女性の衣服をミノムシにまとってもらう作品などが出品されます。いずれも人間とは違う生きものの視点で見た世界が表現されたもので、長い時の流れや、環境、そして生態系についての思索を、鑑賞者の胸のうちに引き起こします。
Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs? digest ver. from Aki Inomata on Vimeo.
AKI INOMATA
1983年生まれ。2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。 生きものとの協働作業によって作品制作をおこなう。主な作品に、3Dプリンターを用いて都市をかたどったヤドカリの殻をつくり実際に引っ越しをさせる「やどかりに『やど』をわたしてみる」、飼犬の毛と作家自身の髪でケープを作ってお互いが着用する「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」など。 近年の展覧会に、「ミラノトリエンナーレ Broken Nature」(2019)、「タイビエンナーレ 2018」(クラビ市内、タイ、2018)、「Aki Inomata, Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs ?」(ナント美術館、フランス、2018)、「Coming of Age」(Sector 2337、シカゴ、2017)、「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」(2016)、「ECO EXPANDED CITY」(WRO Art Center、ヴロツワフ、ポーランド、2016)、「エマージェンシーズ!025 『Inter-Nature Communication』AKI INOMATA」(NTT インターコミュニケーション・センター [ICC]、東京、2015)、「第4回 デジタル・ショック -リアルのファクトリ-」(アンスティチュ・フランセ東京、2015) 、「アルスエレクトロニカ」(リンツ、2014)、などがある。2017年ACCの招聘でニューヨークに滞在。
会期・日時 | 2019年9月14日(土) - 2020年1月13日(月) |
会場 | 十和田市現代美術館 |
開館時間 | 9:00 − 17:00(入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合はその翌日)、12月28日(土)〜1月1日(水)年末年始休館 |
観覧料 | 企画展+常設展セット券1200円。企画展の個別料金は一般800円。 |