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森が作品へと「遷移」

彫刻家・加々見太地展覧会「Another Succession 森のかたち」が山形県飯豊町 数馬の森で2024年4月20日(土)から5月26日(日)まで開催される。本展は飯豊山麓の広葉樹を活用して制作するアーティスト・イン・レジデンスプログラム「木の作り手プロジェクト」を利用し、滞在制作を行った加々美の作品10点余で構成された展覧会。会場は期間限定の絶景「白川湖の水没林」が出現する白川湖付近のエリアとなっており、春の森の中で鑑賞する作品もある。

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タイトルにある「Succession(遷移)」とは、ある場所で群れを作る植物や木の種類が、時間の経過とともに移り変わっていくことを意味している。そう遠くない昔、飯豊の人々はこの森から木材を得て、住居や生活のための資材とし、暖をとるために薪を手に入れてきた。現在でも行われている「ヤハハエロ」(写真)と呼ばれる小正月の伝統的な祭事(どんど焼き)に見られるように、森から切り出した木は人々の祈りの対象にもなっており、森と人々の暮らしとの密接な関係性を見出すことができる。

加々見は飯豊の農村文化に触れながら森に入り、自ら伐り倒したブナを素材にして火を起こし、炭化した樹幹から、あるいは森に残った生木の切り株から、彫刻を立ち上げていった。滞在中に作家が参加した「ヤハハエロ」で切り出されたホオノキの端材からも彫刻を制作。飯豊の森が彫刻家と出会い、時間や空間を超え作品への「遷移」していく様をとおし、森や自然と人との豊かな関りについて思いを巡らせる展示となっている。

加々見 太地 プロフィール

1993年神奈川県生まれ。2020年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。人と自然との積極的な関わりに関心を持ち、自身の自然体験で得られた身体感覚や、その周縁の文化や歴史を制作のテーマとしている。また、国内の冬季登攀をはじめ、アラスカのデナリや、ヒマラヤの未踏峰などの本格的な登山活動をおこなう。主な滞在制作や展示に「山梨国際芸術祭 八ヶ岳アート・エコロジー2023」「葦の芸術原野祭 2022」「雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス2020」「知床サスティナブルフェス2021」など。

会期2024年4月20日(土)~5月26日(日)
時間9:00~18:00
会場山形県飯豊町 数馬の森(山形県西置賜郡飯豊町大字数馬380)
主催飯豊町 中津川の森人会
料金無料
URLhttps://tinyurl.com/56dpw7uy