循環型経済をデザインするグローバル・アワード「crQlr(サーキュラー) Awards 2022」結果発表
ロフトワークと、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティFabCafe Globalは、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)2022」の受賞プロジェクトを発表した。過去最多の参加国30カ国・131プロジェクトの応募から、受賞作品は53点(審査員賞49点と特別賞4点)に絞られた。
2回目の開催となる今回も「直線型ではなく循環型の評価を行う」 「名声ではなく、行動のためのアワード」「グローバル視点を獲得できる」の3つの指標を掲げ、循環型経済の実現を目指す⼤規模なプロジェクトから計画中のアイデアまで幅広く募集。さらに、コミュニティのための「ボトムアップな活動」に敬意を表すために特別賞「FabCafe Global Prize」を新設した。約2ヶ月半の募集では、企業や団体、スタートアップ、デザイナーなど世界30カ国から131プロジェクトが集まった。
審査は、産業廃棄物中間処理業で減量化・リサイクル化率98%を達成している石坂産業 代表取締役 石坂典子や、世界で最も持続可能なフェスティバルとして表彰された「DGTL Festival」を開催しているMitchell van Dooijeweerd、アップサイクル生地に新しい命を吹き込むためのワンストップサービスを提供するmoreloopの共同創業者Amorpol Huvanandanaら、国内外の多様な分野のプロフェッショナル5名が参加。さらに世界に拠点を持つFabCafe Globalから5名が加わり、生活、環境、経済に寄与するサーキュラーなアイデア・プロジェクトを選出した。
選ばれたプロジェクトには、審査員から贈られる独自の賞と評価コメントをはじめ、事務局が発行する認定証ロゴを授与するとともに、2023年2月に開催予定の「crQlr Summit 2022」で受賞者、審査員によるクロストークで紹介がされる予定。イベント詳細に関しては、2023年1月上旬までに公式ウェブサイトより発表。
※ サーキュラー・デザインとは…循環型経済(サーキュラーエコノミー)を目指す、製品やサービスのデザインのこと。デザインは仕組みの設計も含む。
特別賞 「FabCafe Global Prize」受賞プロジェクト
カテゴリやコミュニティの大小を問わず、コミュニティが持つ課題を解決するために生まれた活動・プロジェクトを募集し、4点を表彰。開発プロセスを開くことでコミュニティを成長させる「Fair, circular solar panel」、地域の問題を機会創出に変えてコミュニティに還元する「Sargablock」、各地に研究所を置くことで地域ごとのコミュニティと協働する「日本草木研究所」、この3つは異なる象徴的なコミュニティへのアプローチを取ってる。そして、物質的な循環ではなく教育という手段でコミュニティの持続を目指している「Casa Gallina」は、私たちが取り組むべき課題は資源循環だけではないことを示している。以上4つの活動が持つアプローチに学ぶことで、地域の課題を複合的に解決するボトムアップな活動が生まれるのではないかと考え、特別賞の選出とした。
受賞プロジェクト紹介(一部)
特別賞:Casa Gallina
文化、コミュニティ、環境に関連する学習と行動に焦点を当てた、学際的な文化プロジェクト。
こうであるべきで賞:Fair, circular solar panel
未来のエネルギー源であると同時に大量の廃棄物を生み出す太陽光発電の課題に向き合い、太陽光発電業界に新しいデザインスタンダードを設定。
MMHG アップサイクル賞:UP FOOD PROJECT
食の分野における未利用資源(規格外の農水産品・皮・殻・滓など)のアップサイクルを促進することでフードロスを減らし、食を持続可能にUpdateすることを目指す共創プロジェクト。
バイオデザイン賞:AIRBUBBLE
空気浄化のための微細藻類培養を統合した、世界初のバイオテクノロジーの遊び場。