身体をめぐる問いから生まれた作品群を多様な視点から紹介
美術出版社は、百瀬文の作品集『口を寄せる』を2023年6月3日(土)に発売する。百瀬文は、コミュニケーションのなかで生じる不均衡をテーマにセクシュアリティやジェンダーの問題を鋭くとらえ、作品を制作するアーティスト。現在十和田市現代美術館にて美術館での初個展が開催中のほか、「国際芸術祭 あいち2022」(愛知芸術センター)出展、「世界演劇祭2023」(フランクフルト)の参加を控えるなど、近年国内外で活躍の場を広げ、注目されている。
本書概要
本書は百瀬文の初となる作品集。2013年のデビュー作《聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと》から、十和田市現代美術館での個展で発表した最新作まで、活動10年における代表作を収録するほか、各分野の専門家によるエッセイ、1万字を超える最新インタビュー等、様々な視点からその作品を考察する。
エッセイ
- 伊藤亜紗「身体の捕獲」
- 高嶋慈「視線と身体とセクシュアリティの政治に抗してー百瀬文《Jokanaan》と《クローラー》を中心に 」
- 黒嵜想「オーラルセックス」
- 見留さやか「鑑賞者との多様な関係性」
インタビュー
- 百瀬文インタビュー「人がともにあることのわからなさ、そして救い」(聞き手:小澤慶介)(日英併記)
- 掲載全作品解説付き / 作家略歴 / 主要参考文献
百瀬文(ももせ・あや)
1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な個展に「口を寄せる」(十和田市現代美術館、青森、2022年)、「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」(EFAG East Factory Art Gallery、東京、2020年)、「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1、神奈川、2014年)など。主なグループ展に「国際芸術祭 あいち2022」(愛知芸術文化センター)、「新・今日の作家展2021 日常の輪郭」(横浜市民ギャラリー、神奈川)、「彼女たちは歌う」(東京藝術大学 美術館陳列館、2020年)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、東京)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋——日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、東京・韓国国立現代美術館、2015-2016年)など。2016年度アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を受けニューヨークに滞在。
『百瀬文 口を寄せる Momose Aya: Interpreter』書籍概要
発売 | 美術出版社 |
価格 | 3,400 円+税 |
発売 | 2023年6月3日(土) |
仕様 | 148ページ、 A5判 |