良いデザインを生み出す「コミュニケーション術」と「考え方」がわかる実践書
ビジネス書や実用書を中心に出版するクロスメディア・パブリッシングから、2023年7月28日に書籍『すべての仕事はデザインから始まる。』が発売された。本書はアートディレクター・グラフィックデザイナーとして数多くのクリエイティブを世に送り出しながら、美術系の大学でデザイン学科の教授として教鞭をとるカイシトモヤによる「デザインプロセスのコミュニケーション術」と「創造性の育て方」が学べる実践書。クリエイティブな仕事に憧れる人や、デザインを発注する立場にある人、デザイナーの方など、幅広い層に役立つ一冊となっている。
デザインは、デザイナーやクリエイターらだけに依拠するものではない
本書では主に「デザインプロセスのコミュニケーション」について解説。デザイナーでない人が、デザインの工程に参加し、優れたデザインを生み出すために、その具体的な方法を「アートディレクター/グラフィックデザイナーの視点」からまとめている。
著者は、発注側からデザイナー側する相談を「マグロの刺身」と言い換え、丸々1匹のマグロは「若い世代に、この商品の認知度が上がるような施策を考えてほしい」といった大きな課題を指していると解釈。「デザイナーはそれをいきなりドンと渡されても捌けない」ため、アートディレクターが頭と尻尾を切り落とし、ワタを洗い流し身から骨を削いで半身の状態にしてデザイナーに渡す。デザイナーはそれを柵に切り分けたり、さらにスライスして刺身に仕上げることができる。それは相手によってどこまでできるかは変わるため適切にコミュニケーションをとる必要性があると説明。「クライアントとデザイナーの対立関係を終わらせる本」として多くの人に手に取ってほしいと述べている。
カイシトモヤ
アートディレクター/グラフィックデザイナー
株式会社ルームコンポジット代表取締役
東京造形大学 デザイン学科 グラフィックデザイン専攻領域 教授
1975 年兵庫県生まれ。関西大学産業心理学専攻卒業後、デザイン会社を経て2004 年独立、2007 年法人設立。仕事においてプロセスやコンテクストおよびそれらの言語化を重視し、コンセプトメイキングやデザインを行っている。香港国際ポスタートリエンナーレ 金銀銅賞/KAN Tai-Keung 賞、APA 金丸重嶺賞、繊研流通広告賞 金賞等。著書に『たのしごとデザイン論 完全版』『How to Design いちばん面白いデザインの教科書 改訂版』(エムディエヌコーポーレーション)など。
目次
- 第1章:発注とはコミュニケーションである
- 第2章:具体と抽象のコントロール
- 第3章:良い発注を作るためのレシピ(基礎編)
- 第4章:良い発注を作るためのレシピ(応用編)
- 第5章:デザイナーの頭の中をのぞき見る
- 第6章:「評価と選択」までがデザイン発注
- 第7章:デザインプロセスのコミュニケーション
- 第8章:デザイン発注が生み出すもの
- 第9章:クリエイティブな発注者になるために
『すべての仕事はデザインから始まる。』概要
著者 | カイシトモヤ |
定価 | 1,738円(本体1,580円+税) |
仕様 | 四六判 / 240ページ |
ISBN | 978-4-295-40854-9 |
発行 | クロスメディア・パブリッシング |
発売日 | 2023年7月28日 |