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人間性の退廃か、新たな事態の予兆かを問う

アーティスト山中雪乃による個展「POSE」がDIESEL ART GALLERYで2023年12月2日(土)から2024年1月16日(火)まで開催される。キュレーションは日本橋馬喰町のギャラリー・CON_が手がける。新作絵画と立体作品も展示・販売される。

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山中雪乃は、これまで人間の物質としての輪郭と現象としての状態の双方に注目し、そのあわいに蠢く不定形で非人間的な存在を描いてきた。初期より一貫して人物をモチーフとし、そのスタイルは具象的な描画からランダムなストロークを用いた抽象的な描画へと変化している。白飛びのような情報を欠いた空白、身体の隙間にだらりと流れる液体、セルフィーやアーティスト写真を思わせるエゴイスティックな表情やポーズ。それらが画面全体へ溶け込むように描かれることで、「私」から「何か」への変異のプロセスそのものを捉え、これまでの人間像から脱しつつある未完の存在としての姿を露わにしている。

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本展のタイトル「POSE」は、絵画や彫刻で象られるモデルの姿勢のほかに、見せかけの態度、うわべを意味する言葉でもある。うわ言のようなポスト、大量に生成されたイメージにまみれて繰り広げられる現代、何が本物かを判断できないまま、人間の欲動と機械のアルゴリズムに突き動かされ、定まらないポーズを繰り返す私たち。そんな状況で生まれつつあるのは人間性の退廃か、それとも、新たな事態の予兆か。本展では、新作の絵画作品12点と初の立体作品を通じて、現代における絵画と空間の関係を問い、失われつつある絵画の実在性、そこに宿る他者の存在に接近する。

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作品は抽選販売、申し込み期間は12月2日(土)から10日(日)までとなる。また、展覧会のために作られた限定グッズおよびDIESELとのコラボレーションによるプロダクトも販売される。

山中雪乃

1999年⻑野県生まれ。2021年京都芸術大学美術工芸学科油画コース卒業、2023年京都芸術大学大学院美術工芸領域油画領域修了。

制作過程で生じる物理〜情報空間での視点移動により、描かれたイメージがモチーフの持つ質感と離れた瞬間の、そのものが持つ本来の姿を想像させる絵画を制作している。主な個展に、2023「silhouette」銀座 蔦屋書店 / 東京、2022「attitude」 biscuit gallery / 東京、「figure」 haku kyoto / 京都。

CON_ / キュレーター

2022年4月、東京・日本橋馬喰町で開廊。ビジュアリティとコンセプトの両立を軸にコンテンポラリーアートをはじめとしたさまざまな表現文化を横断するプログラムを展開している。東京の都市文化を再考と実践するなかで、コンテンポラリーアートに限らず、音楽をはじめとする表現活動を有機的なムーブメントとして捉え直すことをビジョンとして掲げ、アーティストとの対話やリサーチから生まれたプログラムを企画することで、同時代性から生まれる新しい文脈の構築を継続的に行っている。

山中雪乃個展「POSE」開催概要

会期2023年12月2日(土)~ 2024年1月16日(火)
時間11:30~20:00
会場DIESEL ART GALLERY
料金無料
キュレーターCON_
URLhttps://tinyurl.com/4tyf6nwf