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空間デザインは帝国ホテル東京新本館の再建を手掛ける建築家田根剛

北欧モダンを代表するフィンランドのインテリアブランドのアルテックが製造販売する「スツール 60」は、2023年で90周年を迎える。フィンランド産のバーチ(白樺)を素材とする木製のスツールは、1933年にフィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトによりデザインされて以来、デザイン、製法、工場を変えずに絶えることなく生産され続けている歴史的、デザイン史的にも類を見ない存在。

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©Dover Street Market Ginza

「スツール 60」の90周年を祝うインスタレーション「Celebrating 90 years of Stool 60」が、銀座のDover Street Market Ginza1階で2023年4月24日(月)まで開催する。パリを拠点とする日本人建築家、田根剛(ATTA - Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が空間デザインを手掛けた。

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©Dover Street Market Ginzata

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©Dover Street Market Ginzata

「BEAUTIFUL CHAOS(美しき混沌)」をコンセプトに2012年3月にオープンしたDOVER STREET MARKET GINZA。その空間にはコム デ ギャルソンの全ラインをはじめ、ストリートからラグジュアリー、有名・無名を問わず強いビジョンを持った様々なテイストのブランドがアート作品やオブジェと共にディスプレイされている。アルテックは2013年11月「スツール 60」の生誕80周年を記念するインスタレーション「Artek meets DOVER STREET MARKET GINZA」を実施。同店やコム デ ギャルソンの店舗では「スツール 60」が什器のひとつとして今でも使い続けられている。

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©Dover Street Market Ginzata

アルテックとDover Street Market Ginzaが、10年を経て再びコラボレーション。90周年を記念するインスタレーションはパリを拠点とする日本人建築家、田根剛が空間構成を手掛けた。Dover Street Market Ginzaの象徴ともいえるエレファントが、「スツール 60」の原点ともいえるフィンランドの森を歩くインスタレーションでは田根剛が手掛けた特別モデルの「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」が展示されている。期間中はDover Street Market Ginzaにて、2023年4月26日(水)の発売に先駆けて「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」の先行予約を限定数のみ受け付ける。

田根 剛

建築家。1979年東京生まれ。ATTA - Atelier Tsuyoshi Tane Architects代表。フランス・パリを拠点に、世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』(2016)、『弘前れんが倉庫美術館』(2020)、『アルサーニ・コレクション財団・美術館』(2021)、『帝国ホテル 東京 新本館』(2036年完成予定)など多数。現在、世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な受賞にフランス国外建築賞グランプリ2021、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞など多数受賞。

90脚限定、日本で生産された特別モデル「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」

「木は眠ると美しくなる」-田根剛

日本人建築家 田根剛が手掛けた90周年モデル「スツール 60 Sleeping Beauty − 眠れる森」は、フィンランドバーチの座面と脚を無塗装の状態で細かい粒子の日本の土に眠らせ、それぞれの土の性質に根ざした色調を表現。90周年に合わせた90脚のみ生産、Dover Street Market Ginzにてインスタレーション期間中に限定数にて先行予約受付、2023年4月26日(水)より、表参道のArtek Tokyo Store4周年の機会に正式発売される。

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Photo Ko Tsuchiya

「スツール 60」

「スツール 60」は、フィンランドの森で育った白樺の無垢材のみを素材としている。現代の技術と熟練した職人の手仕事を組み合わせた製法により、フィンランドの工場で48もの工程を経て作られている。3本の脚と1つの座面という最小限の部品はフラットパックで個装、出荷され、それぞれの持ち主が自ら組み立てるよう製品そのものだけでなく物流までを含めてデザインされている。木材の不均一さも自然素材ならではの美しさであり、年月を重ねることで豊かな味わいを増していく。

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1933年にアルヴァ・アアルトによるデザインされた「スツール 60」

アルヴァ・アアルト

アルヴァ・アアルト(1898-1976)は、「北欧の賢人」とも称される、世界的に最も影響力を持った20世紀の建築家の一人。1935年、アイノ・アアルトらとともに、自身がデザインする家具、照明、テキスタイルの世界的な販売を目的にアルテックを創業。アルヴァ・アアルトの家具は、部品のスタンダード化、曲げ木の技法など、高品質で洗練されたデザインの量産を念頭に置いた合理的な考えに基づいている。

アルテック

アルテックは1935年、アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス=グスタフ・ハールの4人の若者により「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を目的に、ヘルシンキで設立。アルテックのコレクションはフィンランドの巨匠たち、そしてグローバルに活躍する建築家やデザイナーによる家具や照明器具、ホームアクセサリーが揃っている。それらは一様に機能主義に基づき、明快なデザインとシンプルな美しさを追及した製品。創業者の精神を受け継ぎ、アルテックは今日でもデザイン、アート、建築の交点に立ち、未来への道を切り開き続けていく。