Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

日本とフランス、150年の「美の往還」をたどる

​ポーラ美術館は、日本とフランスの芸術交流をテーマにした展覧会「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」を2020年11月14日(土)から2021年4月4日(日)まで開催する。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、日本の浮世絵や工芸品は欧米の芸術に大きな刺激を与え、モネやゴッホなど近代を代表する芸術家たちの重要なインスピレーション源となった。フランスを中心として巻き起こったこの“ジャポニスム”は、欧米のデザインや、伝統を重んじるアカデミックな芸術界にまで広範な影響を及ぼした。

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-1

クロード・モネ《ヴァランジュヴィルの風景》 1882年 ポーラ美術館

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-8

歌川広重《名所江戸百景 上野清水堂不忍ノ池》 1856年(安政3) 東京藝術大学 [展示期間:2021年3月7日-4月4日]

一方、開国を機に欧化政策を進める日本では、黒田清輝をはじめ多くの学生たちがフランスへ留学し、彼らが現地で学んだ美術はその後の近代日本美術の礎となる。また、萬鐵五郎や岸田劉生といった大正期の画家たちの中には、留学が叶わないながらも、雑誌や画集を通してフランス美術に対する憧れと情熱をふくらませていった。

近代化の進む激動の時代、日本とフランスという2つの国は、それぞれに新しい美の基準や感性を模索する上で、互いに必要不可欠な存在であった。本展は、大量のモノや情報、そして人の往来が可能となった時代に、長い歴史の中で培われてきた双方の芸術が織りなした「美の往還」を検証する試みとなる。

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-2

ポール・セザンヌ《砂糖壺、梨とテーブルクロス》 1893-1894年 ポーラ美術館

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-3

安井曾太郎《ターブルの上》 1912年(大正元)福島県立美術館 [展示期間:2020年12月中旬~]

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-6

フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》 1888年 ポーラ美術館

数多くの裸婦像を残した黒田の代表作《野辺》には、彼がフランスで師事したラファエル・コランの《眠り》からの影響が指摘されてきた。1900年のパリ万博で黒田が実際に目にしたとされる《眠り》は、長年所在不明とされてきたが、近年、所在が確認された。このたびフランスから《眠り》が初来日し、弟子だった黒田の作品ととともに120年ぶりに公開される。

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-kriegel

ラファエル ・コラン《眠り》1892年 芸術家財団、パリ ©Fondation des Artistes / Raphaële Kriegel

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-4

黒田清輝《野辺》1907年(明治40) ポーラ美術館

さらに本展では、森村泰昌のゴッホに扮したセルフポートレート、浮世絵を翻案した山口晃の作品、フランス人の日本滞在記に想を得た荒木悠の映像作品などを、近代の作品と織り交ぜて紹介する。「日本と西洋」「近代と現代」などの異なる視点から生み出される様々な誤解やギャップをユーモラスに描き出す作品を通し、異文化理解の本質や魅力に迫る。

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections-5

森村泰昌《肖像(ゴッホ)》 1985年(昭和60)高松市美術館

adf-web-magazine-pola-museum-of-art-connections

山口晃《新東都名所 「芝の大塔」》(制作:アダチ版画研究所)2014年(平成26)ミヅマアートギャラリー ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery

「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」展概要

会期2020年11月14日(土)~2021年4月4日(日)
会期中展示替えあり
時間9:00~17:00(最終入館は16:30)
主催公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
出品点数約110点
出展作家荒木悠、歌川広重、岡田三郎助、葛飾北斎、エミール・ガレ、黒田清輝、古賀春江、フィンセント・ファン・ゴッホ、ラファエル・コラン、ポール・セザンヌ、レオナール・フジタ、クロード・モネ、森村泰昌、安井曾太郎、山口晃、モーリス・ユトリロ、ピエール・オーギュスト・ルノワールなど
URLhttps://bit.ly/34PiY5r