1999年にパリ市立近代美術館で開催された展覧会以来となる、マーク・ロスコ回顧展
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、2023年10月18日から2024年4月2日まで、「MARK ROTHKO」展を開催する。この回顧展では、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー、アーティストの遺族、ロンドンのテート・ギャラリーなど、国際的な美術館や個人コレクションから約115点の作品が一堂に会す。これらの世界中から集まったマーク・ロスコの作品群が、フォンダシオンの全スペースで年代順に展示され、初期のフィギュラティブ・ペインティング(具象絵画)から今日最もよく知られる抽象画まで、マーク・ロスコの今までの全キャリアを辿ることができる。
本展覧会では、1930年代の作品の大半を占める日常のシーンや、ニューヨークの地下鉄のような都市風景から始まり、その後、古代神話やシュルレアリスムにインスピレーションを受けた作風へと転換し、戦時中の悲劇的な人間像を表現するようになる。1946年以降、ロスコは抽象表現主義への重要な転換を遂げ、この転換の最初のフェーズは色彩的な塊がキャンバス上で一種の平衡状態の中で浮遊している多形態で描かれている。
徐々にその数は減り、彼の絵画の空間構成は1950年代のロスコの「古典的」作品へと急速に進化。そこでは、黄、赤、黄土、オレンジ、そして青、白といった色合いを特徴とする二分割構成や三分割構成のリズムに従って長方形の形が重なり合っている。
1958年、ロスコはニューヨークのシーグラム・ビルの中に建てられたフィリップ・ジョンソンがデザインした「フォー・シーズンズ・レストラン」の壁画制作を依頼される。このビル建設はルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが監督したが、その後ロスコはビルに絵画を引き渡さず、このシリーズをすべて手元に残すことを決める。11年後の1969年ロスコは深紅の色合いがこれまでの作品とは異なったこれらの絵画のうち9点を、テート・ギャラリーに寄贈し、テート・ギャラリーはコレクションの一室をロスコのために特別に提供し、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの展覧会でも、このシリーズが特別に展示されている。
1960年、フィリップス・コレクションは常設展示室、初めての「ロスコ・ルーム」をロスコに捧げている。その部屋はロスコと密接にコラボレーションして設計され、展覧会でも紹介された。1961年、ニューヨーク近代美術館が初の大規模な回顧展を開催し、この展覧会はその後ヨーロッパ複数都市(ロンドン、バーゼル、アムステルダム、ブリュッセル、ローマ、パリ)を巡回。1960年代、ロスコは新たな依頼を受けるようになり、その中でも、ヒューストンにあるジョン&ドミニク・デ・メニルの礼拝堂は特に有名で、1971年に落成し、「ロスコ・チャペル」と名づけられる。
ロスコの問いかけの永続性、彼の鑑賞者との言葉なき対話への欲求、そして「色彩主義者」として見られることへの拒絶はすべて、この展覧会で彼の多角的な作品への新たな解釈をもたらす要素となっている。
「MARK ROTHKO」展開催概要
会期 | 2023年10月18日から2024年4月2日まで |
会場 | フォンダシオン ルイ・ヴィトン |