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感情に訴えかけるぬいぐるみアート

WISH LESS galleryでぬいぐるみ作家heidi.の個展「Night night」が2024年10月26日から11月10日まで開催される。heidi.は1997年より本格的にぬいぐるみ制作を開始し、現在は倉敷でgallery björnを運営しながら活動を続けるアーティスト。本展では、heidi. の可愛さを超えたぬいぐるみたちが、現代社会に生きる人々の心に静かな癒しをもたらし、内なる感情と向き合う時間を感じることができる。

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© heidi.

手作りぬいぐるみが放つ独自の魅力

作品はアンゴラ山羊やアルパカなどの天然モヘアを使用したハンドメイドの一点物で、手足や首が可動するなど、細部までこだわった作りが特徴となっており、作陶家MARUが手がけた陶製ブーツを履かせることで、ぬいぐるみが直立できるユニークなデザインも含まれている。また、作品の背中には陶製のボタンが縫い付けられ、heidi.のサインであると同時に、古来より日本で子供の守りとして使われてきた「背守り」の役割も果たしている。このように、heidi.のぬいぐるみは単なる可愛い玩具としてだけでなく、持ち主を守り、共に生きる存在としての意味を持っている。

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陶製のブーツを履いて直⽴するテディベア © heidi.

テディベアの新たな解釈

テディベアは本来、子供向けのおもちゃとして作られているが、現代では大人たちにとっても癒しを与える存在としての価値が見直されている。無表情で見つめてくるheidi.のぬいぐるみたちは、能面のように多様な感情を読み取らせ、自分自身と向き合うきっかけを提供する。heidi.の作品には可愛さを超えた何かが宿っており、その存在感は鑑賞者に様々な感情を投げかける。今展では新作のぬいぐるみ約40点を中心に、クレパス画やコラージュ作品も展示・販売される。

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© heidi.

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© heidi.

Night night

眠りにつく時間
安⼼を与えるふわふわなものたち。
あなたの寝相が悪くても いびきがうるさくても怒りません。
あなたが乱暴な時 踏んづけられても 投げられても負けません。
ふわふわなので 気持ちがおおらかで 強くて 逃げたりもしません。
あなたが悲しみに沈んでいたら 優しく寄り添ってそばに居て話を聞いてくれます。
お出かけも⼤好きなのです。どこへでも⽂句⾔わずついて⾏きます。ただ、歩けないので抱っこしてね。

⼩さい頃 ⺟とおもちゃ屋に⾏った。
「好きなものを⼀つ選んでね」⺟が⾔った。
天井からぶら下がったブランコにうつむいて座っている どこか寂しげな⽩熊をみつけた。
⽩熊さんを連れ帰り沢⼭遊んで過ごした。
ある⽇気がついたら ⽩熊の表情は悲しみから、にっこりと笑っている。
⾃分が⺟となり、⼦供たちに贈り物を考えた時 ぬいぐるみを作ろうと思った。
世界に⼀つが良くて
はじめてアンティークのぬいぐるみを参考に⾃⼰流でパターンをひき
⼿縫いで仕上げたテディベア。
お世話になった⼈や友⼈の為にもぬいぐるみを作った。

heidi. / ハイジ. プロフィール

1997年よりぬいぐるみ作家として活動を開始し、2015年からはクレパスでの絵画制作も行う。2022年には国際アートオリンピアで佳作を受賞。倉敷に拠点を置き、ギャラリーbjörnを運営しながら、アンティーク風のぬいぐるみを制作している。天然素材を多用し、グラスアイを使った高品質な作品が人気。最近では、自費出版の絵本『しずくちゃん』を発表し、幅広く活動を展開している。

heidi. 個展「Night night」開催概要

会場2024年10月26日(土)から11月10日(日)まで
会場WISH LESS gallery
入場無料
URLhttps://wish-less.com/archives/9696