やんツーと彫刻家 / 美術評論家・小田原のどかによるトークイベントも開催
NADiff a / p / a / r / tは、美術家 やんツーの個展「機械の無意識、演算の外側」を2023年2月23日(木)から3月19日(日)まで、地下1階NADiff Galleryにて開催する。やんツーは、アーティスト活動初期より人間の行為の主体をロボットなどの外的要因に委ねることで人間の身体性、表現の主体性を問う作品を数多く制作。文化庁メディア芸術祭アート部門第15回で新人賞(2012)、第21回で優秀賞(2018)を受賞し、「あいちトリエンナーレ2016」や現在開催中の「六本木クロッシング2022展:往来オーライ! 」(森美術館)等数々の芸術祭、グループ展に選出されている。

※参考作品:作品集『yang02 works 2009-2022』表紙作品《Untitled Drawing by a Device for “Graffiti” #8 (pulled / broken)》2022 撮影:vvpfoto
機械学習システムを用いたドローイングマシンがスプレーやペンで描く作品、セグウェイが作品鑑賞する空間、本来速さを競うミニ四駆を超低速化させ作品上で右往左往させるなど軽快な表現で、テクノロジーと人間との関係性、公共性、政治性を考察し、時にテクノロジーとともに成長し続ける社会への批評も含みながら提示されるそれらの作品は、人間中心主義、合理主義などのこれまで疑いもなく持っていた価値観が見直され始めている今の時代に、様々な観点から受入れられ注目を集めている。
本展は2023年1月に刊行されたやんツーのこれまでの活動を記録した初の作品集『yang02 works 2009-2022』を記念して開催。展示会場ではやんツーの代表作であるドローイングマシンによって描かれた作品が、機械や外的要因に委ねながら壊される、剝がされる、別のドローイングで覆われるなどの手法を経て提示される。これまで明確な言語とともに既存の価値観を問い、意味をとらえなおし提示してきた作家であるが、本展ではまず機械と人間の無意識下における理論を起点に制作作業を繰り返し、その先に問いを見いだそうとする。作品はどのような姿となって何を言表すのだろうか。
トークイベント「近代彫刻の系譜としてのメディアアートについて」
やんツーと新刊作品集にも執筆した彫刻家 / 美術評論家の小田原のどかによるトークイベント「近代彫刻の系譜としてのメディアアートについて」を開催。申込みはこちらから。
展示作品販売
NADiff a / p / a / r / t 店頭にて2023年2⽉23⽇(⽊)より販売を開始する。作品の⼀部は2023年2⽉27⽇(⽉)13:00より、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」でも販売予定。
やんツー / yang02
1984年、神奈川県生まれ。美術家。セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーが組み込まれた既製品、あるいは既存の情報システムに介入し、転用/誤用する形で組み合わせ、インスタレーションを構築する。先端テクノロジーが持ちうる公共性、政治性、又は人間との関係性を考察し、作品をもって批評する。菅野創との共同作品が文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。contact Gonzoとのパフォーマンス作品や、和田ながら演出による演劇作品「擬娩」での舞台美術など、異分野とのコラボレーションも多数。
NADiff a / p / a / r / t
コンテンポラリーアート、フォトに関する国内外の書籍を中心に、アートグッズやマルチプルなども取り扱うブックショップ。インストアで行うイベントや、併設のNADiff Galleryでの企画展開催など、商品の販売に留まらない情報発信を様々な取り組みで行う。
やんツー「機械の無意識、演算の外側」開催概要
期間 | 2023年2月23日(木・祝)から3月19日(日)まで |
時間 | 13:00 ~ 19:00 |
営業 | 木、金、土、日、祝 |
会場 | NADiff a / p / a / r / t 地下1階 NADiff Gallery |
入場 | 無料 |