極細密超現実的想像都市が出現
青幻舎は圧倒的なイマジネーションと画力を駆使して超細密な線を自由自在に操り、無限に広がる想像の都市を描く気鋭のアーティスト、田島大介の待望の初画集『BEYOND THE LINES / 超越界限』を2022年11月上旬に刊行した。本書はアグレッシブな線が縦横無尽に疾走し無限に広がる架空の都市を、圧倒的な想像力と超絶した画力でキャンバスに描き出すアーティスト、田島大介の初めての画集となる。
書籍概要
田島は愛知県立芸術大学卒業直後に「Tokyo Midtown Award 2015」アートコンペでグランプリを獲得、その後2019年に「第22回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞し、近年は香港や台湾でも個展を開催するなど、アジアから世界へと活動の場を広げる注目の若手アーティスト。田島作品の代名詞といえる巨大なキャンバスを埋め尽くす高層ビル群。それらは一般的に漫画で使われることで知られる丸ペンとインクを駆使して描かれている。田島は自分の作品について、実際の都市の取材などはせず自分の想像をもとにし、しかし、いかにリアルに見えるかを考えながら描いていると言う。そのイマジネーションの源泉には、幼少期に観たアメリカのSF映画や日本のアニメーションからの影響、台湾や香港、中国大陸へと自らが旅を通して得た記憶があり、それらが発想の原動力になっている。
また、作品に頻繁に登場する中国語は、一文字一文字に概念が含まれ、文字自体に理由があるという点で漢字に惹かれていることが理由と言い、絵の中に実際に存在する言葉が描かれることで想像の都市に別のリアリティが立ち上がる。田島の作品は見た者を半ば強制的に異次元の世界に引き込み、没入させる。高密度なモノクローム空間は工業的で無感情なものだけが存在できる超現実世界。そこは人の姿が排除されビルが主役となり増殖を続ける世界にもかかわらず、そこはかとなくノスタルジーが漂っている。それは作品世界が作家自身の心象風景であり、現実とは違ったある種の安らぎを与える場所として機能する、一つのメタバースといえるからかもしれない。大きいものだと横約450㎝、縦約220㎝ほどになる田島作品の迫力を追体験できるよう、横297 × 縦364mmという大判のサイズにもこだわった一冊となっている。
田島大介(たじま だいすけ)
1993年奈良県生まれ。2015年愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。主な受賞歴として、2015年「アートアワードトーキョー 丸の内 2015」神谷幸江賞 丸ビル(東京) 、「Tokyo Midtown Award 2015」グランプリ 東京ミッドタウン(東京) 、2016年「Young Art Award 2016」新潮賞 シェラトングランデ台北(台北)、2019年 「第22回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞 川崎市岡本太郎美術館(神奈川)など。また、主な展覧会として、2022年「OPERATION BLACK/黒作戦」ex-chamber museum・東京、2021年「DIVE TO THE CHAOTIC TERRITORY/潛入混沌領域」德鴻畫廊・台南、2020年「This is My Territory」ex-chamber museum・東京、2019年「第22回 岡本太郎現代芸術賞展」川崎市岡本太郎美術館・神奈川、2017年「VOCA展2017」上野の森美術館・東京などがある。
『BEYOND THE LINES / 超越界限』書籍情報
発売 | 2022年11月上旬 |
著者 | 田島大介 |
判型 | B4変(W297 × H364mm) / 製本:並製 |
総頁 | 94頁 |
価格 | 5000円 |