Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

多様な表現との出会いを通して創造の根源的な魅力に迫る

都内3か所を巡回するアール・ブリュット2022巡回展「かわるかたち」では、「かたち」をキーワードに、国内外で活躍の場を広げる10名の作家による絵画や立体作品など、いろいろな素材でつくられるさまざまな表現を紹介。「かたち」という言葉は、姿や形状、図柄などのほか、ものごとの様子や状態を表す時にも使われ、多様な意味合いを持っている。この「かたち」という言葉のように、身近な素材でつくられる多様な表現との出会いを通して、創造の根源的な魅力に迫る。

adf-web-magazine-art-brut-5第1会場(東京都渋谷公園通りギャラリー)では、巡回する3会場のうち最大規模となる約70点の作品を展示。会期は前期:2022年7月16日から8月21日まで / 後期:2022年8月23日から9月25日までとなっており、作品が入れ替わる。

いろいろな素材

出展作品には色鉛筆やボールペン、カラーペンや水彩絵の具など、私たちが子どもの頃から親しんできた文房具や画材のほか、布や糸、ペンキやチラシといった生活の中の品々が素材として使われている。

さまざまな表現

独自の視点でモチーフを切り取る青木尊。一筆書きの円を重ねて画面の中に独特の空間を創り出す稲田萌子。短い線を重ねて描く丸や四角で、画面を埋め尽くす佐々木早苗。モチーフの世界観を心象風景のように描き出す五十嵐朋之、濱中徹、渡邉あや。オリジナルのキャラクターを無限に創造する萩尾俊雄。線と面とを塗り重ねる手法で色々な物、場面にあわせて描く本田雅啓。人をテーマに描き続ける井上優と吉川秀昭——ひとつひとつの作品に見られるこだわりのかたちと、それぞれの作家によるさまざまな表現が展観される。

出展作家プロフィール

稲田萌子(INADA Moeko) 1985- 京都府生まれ

ゆったりとした独自のリズムで円を描く動作を繰り返し、光をつかまえたような柔らかな線の束を紡ぎ出す。主には色鉛筆を用いて、複数の色を混ぜ合わせて描かれる円環は、重なり合う色と色とがお互いを引き立て合い、描かれず空洞となる部分には、まばゆい光を帯びている。均一で伸び伸びとしたストロークからは、描く動作そのものに内在する喜びが籠っている。2003年よりクラフト工房La Manoに所属。アトリエが始動した2006年からのメンバー。

adf-web-magazine-art-brut-2

稲田萌子《無題》2019年(2019. 3. 14) 画像提供:クラフト工房La Mano ※参考画像

井上 優(INOUE Masaru) 1943- 滋賀県生まれ

大きな画面に、明確な線で描かれる人の形。さまざまなシーンで描かれる群像は、どの顔もどこか穏やかな印象で、作家自身の持つ雰囲気とよく似ている。鉛色に光るほど塗り込められた色面は、鉛筆の短い筆触を重ねて描かれている。1999年から「やまなみ工房」に所属する井上は、濃い(柔らかい)鉛筆と大きな紙という素材との出会いをきっかけに、70歳を超えてから本格的な創作活動をはじめたという。

adf-web-magazine-art-brut-6

井上 優《ダンス》2013年 やまなみ工房蔵 画像提供:やまなみ工房

佐々木早苗(SASAKI Sanae) 1963- 岩手県生まれ

浮遊感のある独特の間合いで並ぶ、丸や四角の色面は、ボールペンやカラーペンのほか、刺繍による線の集積で描かれている。繰り返す筆致により紙や布が波打ち、画面に微妙なニュアンスを生じさせる。佐々木の表現は、誰かに見られることを意図したものではない。30代まで農作業に携わっていた佐々木は、1996年頃に習得したさをり織りをきっかけに、創意に満ちた表現者であることを周囲に発露した。るんびにい美術館の創作グループ「こころと色の工房 まゆ~ら」にて活動。

adf-web-magazine-art-brut-3

佐々木早苗《無題》2008-2012年頃 作家蔵 画像提供:るんびにい美術館

本田雅啓(HONDA Masaharu) 1983- 福岡県生まれ

幼少期より好んで絵を描いていた本田は、家族の勧めで高校生の頃から絵画教室に通い、卒業後は、アートを仕事にする施設を活動の場として創作を続けてきた。野菜や昆虫、風景や物語のキャラクターなど様々なモチーフを、単純化した輪郭線と幾何学模様や色面を複雑に構成して描く。正確な筆致で、ライブペインティングを得意とし、建物の壁やシャッター、重機などにも描く。2018年からは、障害福祉サービス事業所PICFAにて活動。

adf-web-magazine-art-brut-1

本田雅啓《モモタロウ》2020年 PICFA蔵、画像提供:PICFA

渡邉あや(WATANABE Aya) 1987- 新潟県生まれ

修学旅行で沖縄へ行った経験から、後に飛行機を題材にした作品を描きはじめる。水性顔料ボールペンで枠線を描いた後、色鉛筆でパッチワークのように細かく分けて彩色する。2017年からは、アメリカやスペインなどの国を題材にした作品を制作。動物や建物、実在する航空会社のパロディなど、作品に散りばめられた遊び心が、見ている者を世界旅行へ誘う。2006年より、工房集に所属。

adf-web-magazine-art-brut-9

渡邉あや《飛行機》2013年、画像提供:工房集

アール・ブリュット2022巡回展「かわるかたち」開催概要

第1会場東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1、2
会期2022年7月16日(土)から9月25日(日)まで 11:00~19:00
第2会場練馬区立美術館 区民ギャラリー
会期2022年10月27日(木)から11月2日(水)まで 10:00~18:00
第3会場府中市美術館 市民ギャラリー
会期2022年11月25日(金)から12月4日(日)まで 10:00~17:00
観覧料無料

pwa