建築家 隈研吾デザインの早稲田大学「村上春樹ライブラリー」が10月1日に開館
作家・村上春樹の名を冠した、早稲田大学国際文学館「村上春樹ライブラリー」が、2021年10月1日(金)に開館する。同館は、村上春樹が、母校の早稲田大学に貴重な資料の寄託・寄贈を決定したのを契機に設立。世界的建築家の隈研吾が設計を担当し、開館に向けて準備が進められた。開館オープニングイベントでは、村上とロバート・キャンベル特命教授、七里圭監督とのトークセッションを開催予定。また、開館を記念して、村上春樹自身も出演する朗読イベントや、シンポジウム(オンライン配信)なども企画されている。
「村上春樹文学」研究とともに、「国際文学」「翻訳文学」の研究拠点となることを志向する同館では、執筆関係資料にとどまらず、インタビュー記事や書評、海外で翻訳された書籍、さらには氏が蒐集した数万枚のレコードなど、膨大な資料が整理・保管され、閲覧できる。内外の村上文学愛好者・研究者に新しい発見と交流を促すことが期待される。20世紀から21世紀を通して活躍する村上の文学活動全般を受けとめながら、早稲田大学に国際色豊かな「文学の家」を創造していく。
2021年10月1日(金)から2022年2月4日(金)まで、企画展示「建築のなかの文学、文学のなかの建築」を開催する。早稲田大学・早稲田キャンパスの「旧4号館」が、隈研吾によるリノベーションを経て、国際文学館として大きく様変わりする過程を、数々の製作者たちが交わした「コミュニケーション」に注目して展示。建築と文学に纏わる書籍も陳列する。
館内の見どころ
階段本棚
木を使ったぬくもりのあるデザインの館内で、ひときわ存在感を放つ、当館の象徴となる場所。陳列されている本は、期間によって入れ替わる。開館時の企画内容は「村上作品とその結び目」と「現在から未来に繋ぎたい世界文学作品」。手に取りやすい配架で本との出会いをサポートする。
ラウンジ
村上春樹ゆかりの家具やピアノ、また村上作品の舞台装置などが置かれ、見どころの多いエリア。ポケットパーク(小さな庭)を含め、館外に直接出入りすることができ、季節ごとに彩りをかえる植栽とともに、同じB1Fのカフェのメニューを楽しむことができる。階段本棚のステップも客席として活用しながら、イベントやセミナーの開催も構想中。
ギャラリーラウンジ
デビューの1979年から2021年までの村上春樹作品の初版本を中心に展示。氏から寄贈された本で、多くが初版本となっている。展示スペースの反対側の壁にすえつけた本棚には、日本で刊行された村上の著作はもちろん、世界各国の様々な言語に訳された作品をそろえている。村上春樹翻訳による作品も並べ、村上ワールドに囲まれた一室となっている。「コクーンチェア」など、滞在することを楽しむ仕掛けが豊富。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)概要
所在地 | 東京都新宿区西早稲田1-6-1 |
規模 | RC造 地上5階地下1階、総面積 2,147㎡ |
開館時間 | 10:00-17:00 |
入館料 | 無料 |
ウェブサイト | https://www.waseda.jp/culture/wihl/ |