日本に暮らすからこそ考えていきたい、これからの「森」と「木」を深掘り
『Discover Japan』 2024年9月号 Vol.154「木と暮らす」が2024年8月6日(火)に発売された。国土の約7割が森林である日本では、古くから様々な種類の木を用途によって使い分け、建築や日用品として暮らしに採り入れてきた。いま、二酸化炭素削減につながる自然素材であることからも世界も木に注目している。本書では、現状の日本では管理しきれない森林が課題ではあるものの、その中でも森を守り育て、森林がよりよく循環していくための挑戦をしている企業や自治体の想いや取り組みについて、様々な事例が紹介されている。
またサステナビリティへの意識が高まっていることを背景に、木造建築も熱い視線を集めている。世界が最も注目するデンマークの建築事務所・「BIG」も木材の可能性に着目。木造建築の「いま」がわかる最新事例も紹介されている。
北海道新千歳空港からほど近い輪厚(ワッカ)に、この8月開業のヴィラリゾート「SONEKA」。北海道の放置森林を整備し、伐採した木も活用してつくられた、プライベートな滞在ができる。敷地内のシラカバから採取した樹液を料理に取り入れたり、インテリアには旭川家具を採用するなど、随所で木のぬくもりを感じられる滞在が叶う。
大分県中津市で林業を営む「久恒山林」が立ち上げた、持続可能な林業を目指しアロマブランド「六月八日」。天然の森の香りを凝縮した製品の魅力はもちろん、香りを軸にしたワークショップに、全国から人が訪れるという。森林の活用の仕方、地域の雇用の創出のほか、関係人口を増やすことにもつながっている。森や木の香りが、人の心身にいい影響を与えるのではないかという研究も進んでいるいま、森林の活用と森の香りづくりをしている方々の想いと取り組みが紹介されている。
日本有数の漆器の産地として名高い輪島。その湿潤な気候や、材料となる木々があることから、古くから漆器がつくられてきたが、2024年元日の能登半島地震により、輪島の多くの工房や職人の自宅が倒壊。そんな状況の中、輪島塗を未来につなぐための一歩を踏み出している塗師や工房などの取り組みが紹介されている。
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
2008年創刊の雑誌『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』は、”ニッポンの魅力、再発見”をコンセプトに日本のモノ・コト・場所・人を通して本物かつ上質な日本文化の魅力を、わかりやすく丁寧に編集・提案する「日本の入門書」メディア。