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「Dear Glenn」概要

ヤマハは、AIと人間の共創の可能性を追求するためのプロジェクトである「Dear Glenn」の成果として、オーストリアのリンツ市で開催される世界最大規模のメディア・アートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」で新たなAIシステムを初公開する。このAIシステムはピアニストの故グレン・グールド(Glenn Gould)らしい音楽表現でピアノを演奏することができ、さらに人間と協調して合奏することができる世界初のAIシステムである。

公開は会期3日目にあたる9月7日(土)に行われ、当日は、AIシステムと現代の名演奏家が共演するコンサートを披露するほか、人間とAIが共創する未来をテーマにしたパネルセッションを予定。パネルセッションは、現代の気鋭のピアニストであるフランチェスコ・トリスターノ(Francesco Tristano Schlimé)グレン・グールド・ファウンデーションのブライアン・レヴィン、そしてヤマハのAIシステム開発者が登壇し、AIを用いた未来の音楽の可能性について議論する。

今回公開するのは、グレン・グールドらしい音楽表現で、任意の楽曲のピアノ演奏ができるというシステムである。未演奏曲でも、楽譜のデータさえあればすぐに演奏できるという特徴を持ち、その再現手法としては世界初となる「深層学習技術」を採用したAIシステムである1 2。自動演奏機能付きピアノと、グレン・グールドらしい演奏データを瞬時に生成しピアノに演奏を指示するAIから構成される予定。

AI システム技術概要

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AIシステムの学習フロー。グールドの録音に含まれるタッチの解析(STEP01)に加え、彼を熟知した演奏者らによる演奏データを使用することで、任意の楽譜をグールド風に演奏できる深層ニューラルネットワークを学習する(STEP02)。これにより、未収録曲もグレン・グールド風に演奏することが可能となる(STEP03)。

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AIシステムとの合奏における動作形態。人間の演奏者をカメラやマイクで実時間解析することで、人間に合わせてAIシステムが演奏することを可能にする。

  1.  2019年8月現在、YAMAHA調べ
  2. コンピューターに物事を理解させるための機械学習方法の一つ。ニューラルネットワークという数理モデルを多層的に使用して情報処理を行うことが特徴。