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伊勢丹新宿店にて「WOMEN DESIGN IN MODERN」が開催。貴重なビンテージ作品など約50点が展示販売

伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペースにて、モダンデザインの世界における女性の貢献を称え、「WOMEN DESIGN IN MODERN」が2023年4月1日(土)から24日(月)まで開催される。戦後から女性解放運動の始まり、ポストモダニズム、ミニマリズム、そして世紀末へと、モダンデザインを形成してきた世界の女性デザイナー13名のビンテージの家具作品を伊勢丹新宿店独自にスタイリングし展示販売する。adf-web-magazine-women-design-in-modern-mistore-shinjuku-1

デザインギャラリーの「Gallery CASA DE」「SNORK- MODERN AND CONTEMPORARY」「Objet d’ art」の協力のもと実現した本展には、貴重なビンテージ作品と、一部現行品の商品も合わせて約50点の作品が一堂に会す。男女差別のあった時代に、純粋な美学や完璧な技量、卓越した品質を達成した女性による作品から、その時代の社会、改革、そしてアイデンティティの物語を読み解き、デザインと歴史の大きな文脈の中での彼女たちの位置づけを再確認することができる機会を提供する。

出展作家・作品(一部)

シャルロット・ペリアン

1937 年にコルビジェ のアトリエを離れた後、元同僚で坂倉準三の働きかけにより1940 年日本の商工省(現・経済産業省)の招聘を受け、輸出工芸指導顧問として来日。工芸技術の視察のため、日本の文化や地域を見聞するための旅が始まり、7ヶ月の日本各地への旅で竹、漆、アルミニウムやテキスタイルを応用した新しいデザインを家具を生み出している。家具のデザイン領域で旧東京都庁都知事室(1957年)・墨会館(1957年)・旧草月会館(1958年)など設計した丹下健三との協働するなど、ペリアンが日本の建築家やデザイナー、引いては日本のモダニズムの発展に与えた影響は計り知れない。

Rush Chair from Meribel

シャルロット・ペリアンがいくつかのプロジェクトに携わっていたメリベルのチェア。日本の伝統的なデザインを感じる作品となっている。

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Rush Chair from Meribel / Charlotte Perriand(W43×D43×H74cm) 製作年:1956-58年頃

 

Low Bench with Drawer from Cité Cansado, Mauritania

シャルロット・ペリアンによるベンチ。アフリカの鉱山町”Cansado” のプロジェクトのためにデザインされた。ペリアンが日本に来日された時に影響をうけてデザインされたものと感じ取ることができる。

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Low Bench with Drawer from Cité Cansado, Mauritania/ Charlotte Perriand (W260×D70×H36×SH24cm) 製作年:1958年

アイノ・マルシオ・アアルト

1894 年フィンランド、ヘルシンキ生まれ。1920 年の1 月にヘルシンキ工科大学の建築学科を卒業したアイノ・マルシオは建築家としてのキャリアをスタート。社会貢献への思いの強かったアイノは労働者のための住宅、児童福祉施設や幼稚園などに関わる仕事にも熱心に取り組み、それらからは家事や育児の視点からの考察も垣間見れデザインを通じて女性の社会進出に大きく貢献した。

Garden Trolly 321

アイノ・マルシオ・アアルトが1938 年にデザインしたガーデントロリー。マイレア邸(1937-39)のプロジェクトの期間にデザインされマイレア邸ガーデンラウンジにも設置されている。

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Garden Trolly 321 / Aino Marsio-Aalto
(W173×D62×H70cm) 製作年:1940-50年代頃

Desk 501

アイノ・アアルトが1932 年にデザインしたデスク。両面使えるデザインとなっており、スニラのパルプ工場の設計をした際にも近い型のモデルが収められている。初期に製造され幅182cm大型サイズは大変希少である。

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Desk 501/ Aino Marsio-Aalto (W182×D845×H72cm) 製作年:1930年代

リナ・ボ・バルディ

イタリア・ローマ生まれ。ジオ・ポンティのもとでキャリアを積み、アートディーラーのピエトロ・マリア・バルディと結婚。サンパウロ美術館の立ち上げのため招致された夫と共にブラジルへ渡る。1951 年サンパウロのムルンビに、最初の建築作品となる自邸「ガラスの家」を設計。家具デザイナーとしては、1949 年に、ジャンカルロ・パランティとともに「スタジオ・ダルテ・パルマ」を設立。初めて家具デザインをしたのは1947 年、サンパウロ美術館の講堂のための椅子で、これ以外にも、自身の設計した建築作品に合わせて家具も手がけた。ブラジルでは「外国人」であり「女性」でもあったため、難しい時代を過ごした同氏だが、多くの建築作品を残し建築とデザインの社会的・文化的な可能性の追求に人生を捧げた。

Brass Ball Chair

リナの自邸で6脚作られており、デザインは1951年で展示するものは1960年~1970年ごろにNasser家が所有していたものを展示する。1950年代以降も親戚や知り合いのために作っていたと言われている。1950年代のものと若干仕様が異なり、現在はETEL社が復刻している。

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Brass Ball Chair/ Lina Bo Bardi
(W59×D85×H82cm) 製作年:1960-70年代頃

SESC Pompeia Stool, 1980s

サンパウロの文化施設「SESC Pompeia」の図書室のために作られた作品。デザインはLina Bo Bardi, Marcelo Ferraz, Marcelo Suzuki の共同によるもの。

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SESC Pompeia Stool, 1980s/ Lina Bo Bardi,Marcelo Ferraz,Marcelo Suzuki
(W38×D50×H66cm) 製作年:1980年代

現行品 展開例

Girafa Chair

1986 年、マルセロ・フェハス、マルセロ・スズキ、リナ・ボ・バルディは、カサ・ド・ベニンのレストランやグレゴリオ・デ・マトス劇場など、サルバドールでの一連のプロジェクトに取り組みこの椅子のデザインをした。

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Girafa Chair / Lina Bo Bardi,Marcelo Ferraz,Marcelo Suzuki
(W39×D43×H76×SH45cm) 現行品

Frei Egídio Chair
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Frei Egídio Chair/ Lina Bo Bardi,Marcelo Ferraz,Marcelo Suzuki
(W36×D49×H84×SH48cm) 現行品

ブラジル・サルバドールのグレゴリオ・デ・マットス劇場のために リナ・ボ・バルディ、マルセロ・フェラス、マルセロ・スズキの3 人がデザインしたチェア。 “Frei Egídio Chair”( フレイ・エジディオ・チェア ) は直訳すると「神父エジディオの椅子」 という意味になる。

「WOMEN DESIGN IN MODERN」開催概要

会期2023年4月1日(土)~4月24日(月)
会場伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
特設ページhttps://bit.ly/42LYcPN