日本の芸術分野における女性写真家の認知度を向上させる取り組み
グローバルラグジュアリーグループ ケリングが取り組む、芸術や文化の分野で活躍する女性の才能に光を当てることを目的とした活動「ウーマン・イン・モーション」が、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭にて展覧会「A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama|透視する窓辺」を支援する。日本を代表する写真家 石内 都と若手作家 頭山ゆう紀の2人展となる本展への支援を通じて、ケリングは日本の芸術分野における女性写真家の認知度を向上させる取り組みを継続していく。展覧会初日の4月15日には、「石内都と頭山ゆう紀の視点」と題したアーティストトークが開催される。
第11回KYOTOGRAPHIEにて開催される本展は、日本を代表する写真家 石内 都が次世代の作家 頭山ゆう紀を選定。女性写真家2人による対話的な展示で、世代を超えた作家同士のまなざしが交差する。石内 都は母を一人の女性としてとらえ、母の遺影を撮影した〈Mother’s〉シリーズの作品を、頭山ゆう紀は友人の死をきっかけに撮影を始めたシリーズ〈境界線13〉と、祖母を介護し看取るまでの日々を写した最新作を展示する。
ケリング「ウーマン・イン・モーション」の活動について
2015年、ケリングは映画界の女性に光を当てることを目的に、カンヌ国際映画祭にて「ウーマン・イン・モーション」を立ち上げた。芸術分野における平等のための闘いは映画界に限らず、「ウーマン・イン・モーション」は写真を始めとする他の芸術分野にもその取り組みを広げた。
2019年3月、ケリングはアルル国際写真祭とのパートナーシップを発表し、同写真祭での「ウーマン・イン・モーション」プログラムをスタートした。このパートナーシップは、女性写真家の認知度向上に貢献し、同分野における男女平等を達成することを目的としている。ケリングは、2016年から支援しているマダム・フィガロ・アルル・フォトグラフィー・アワードを通じて才能ある若い女性を支援し続ける一方で、アルル国際写真祭にて「ウーマン・イン・モーション」ラボと「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを立ち上げた。同賞は象徴的な女性写真家のキャリアを称えるもので、受賞作家の作品を写真祭のコレクションとして購入するための賞金2万5000ユーロが含まれている。2019年はスーザン・マイゼラス、2020年はサビーヌ・ヴァイス、2021年はリズ・ジョンソン・アルトゥール、2022年はバベット・マンゴルトが受賞している。そして2023年7月、アルル古代劇場で開かれる初のソワレにて、ホザンジェラ・ヘノーが受賞する予定である。
日本では、2021年のKYOTOGRAPHIEにて、ヨーロッパ写真美術館(MEP)がキュレーションを担当した「MEP Studio(ヨーロッパ写真美術館)による5人の女性アーティスト展-フランスにおける写真と映像の新たな見地」、2022年には10名の日本人女性写真家の展覧会「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」を支援した。
石内 都 プロフィール
群馬県桐生市生まれ。神奈川県横須賀市で育つ。1979年に〈Apartment〉で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した〈Mother’s〉で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される。2007年より現在まで続けられる被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉も国際的に評価されている。2013年紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。
頭山ゆう紀 プロフィール
1983年千葉県生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。生と死、時間や気配など目に見えないものを写真に捉える。自室の暗室でプリント作業をし、時間をかけて写真と向き合うことで時間の束や空気の粒子を立体的に表現する。
「A dialogue between Ishiuchi Miyako and Yuhki Touyama | 透視する窓辺」展 開催概要
会期 | 2023年4月15日(土)~5月14日(日) |
会場 | 誉田屋源兵衛 竹院の間 |
特設URL | https://www.kyotographie.jp/ |