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「次」のミッドセンチュリーを空想する

WIRED』日本版が、最新号VOL.50「Next Mid-Century:2050年、多元的な未来へ」を発売中。『WIRED』US版の創刊から30周年という節目のタイミングとなる今号では、「30年後の未来」の様相を空想する。ちなみに、30年後は2050年代──つまりはミッドセンチュリー。「前回」のミッドセンチュリーはパックスアメリカーナ(米国の覇権による平和)を背景に欧米的な価値観や未来像が前景化した時代だったとすれば、「次」のミッドセンチュリーでは、人類のみならず、植物や鉱物や微生物そして人工物(ロボット、AIエージェント、人工生命等々)をも含むあらゆる存在が相補的に影響を与え合う多元的な未来へとたどり着くことができるかどうか。空想の大家・SF作家たちとともに「Next Mid-Century」が特集されている。

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誌面に登場するのは豪華なラインナップとなっている。テッド・チャン、劉 慈欣、池澤春菜、マリアーナ・エンリケス、倉田タカシ、N・K・ジェミシン、高山羽根子、ウォレ・タラビ、藤井太洋、ユク・ホイ、齋藤精一、ベッキー・チェンバーズ、長谷川 愛、三宅陽一郎、山田胡瓜、ププル・ビシュト、川崎和也、津久井五月、逢坂冬馬、安堂ホセ、池上英子、市川沙央、市川春子、伊藤亜和、稲見昌彦、円城 塔、岡 瑞起、川和田恵真、斉藤賢爾、齋藤帆奈、Jen.two、Jini、柴田勝家、アンソニー・ダン、陳 楸帆、エレナ・トゥタッチコワ、野﨑まど、伴名 練、比嘉夏子、Peterparker69、ジョアンナ・ファン、フラン・ラブシャーニュ、松田桂一、宮内悠介、村上由鶴、和田夏実、吉上 亮、水野祐、なみちえ、川田十夢など。

EDITOR’S LETTER

いつも好奇心に駆り立てられてきた

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WIRED WHITE LIST

イノベーションとアイデアのありか

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SPECIAL FEATURE

Next Mid-Century 2050年、多元的な未来へ

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The Truth of Fact, the Truth of Feeling

テッド・チャンへの11の質問

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2050年代を生きるあらゆる生命がウェルビーイングな営みを送っているために、いまを生きる世代は、個人として、社会としてどのような視座をもち、どのような行動を取る(あるいは取らない)必要があるのだろうか。『WIRED』日本版と日本のSF作家たちが、「当代最高の短編SF作家」とも称されるテッド・チャンに11の問いを投げかけた。

SOME NEAT THINGS TO DO

いくつかの冴えたやりかた 異文化SF作家による「往復書簡」

劉 慈欣×池澤春菜
マリアーナ・エンリケス×倉田タカシ
N・K・ジェミシン×高山羽根子
ウォレ・タラビ×藤井太洋

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2050年代、人々の価値観、社会の構造、文化の織り糸が「多元的」であるために、いまから準備しておくべきこと/獲得すべき視座とは何か? そんな問いに対して、さまざまな文化圏のSF作家たちはどのようなビジョン──世界観、価値観、未来感、倫理感──を示してくれるのか。日本のSF作家たちが対話に臨んだ。

Technological Pluralism

2050年、テクノロジーの多元論

ユク・ホイ

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ひたすらギアを上げて加速し続けるテクノロジーの発展が、「避け難く次の戦争につながるのは明白だ」と哲学者ユク・ホイは言う。だからこそ、脱成長や減速といった小手先の対処ではなく、テクノロジーとわたしたちとの関係の「根本的な変化」こそ、いま求められているのだと。キーワードは技術多様性、精神多様性、そして生物多様性だ。

シド・ミード生誕90周年企画

Visualizing the Future ペン先から生まれる未来

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数多くのSF作品にかかわり、未来に暮らす人々の姿を描いたビジュアルフューチャリスト、シド・ミード。生誕90年を迎えた彼の功績を振り返るとともに、6組の若手建築家/アーティストが「次のミッドセンチュリーに生きる人々の姿」を空想した。

Have Bright Futures!

Next Mid-Centuryを予見するタイトル30

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次のミッドセンチュリーは、どんな世界にしたい? 過去を振り返り、よりよい未来を準備するなら、可能性を拡げてくれる優れたインスピレーションも大切。そこで、想像力・観察力・実装力に長けた30名の協力を得て、多元的未来の礎を築くためのヒントとなるような作品を集めた。

Identifying the Issue and Finding the Solution

鍵と鍵穴 4つのイシューと解題への視座

ユク・ホイ×齋藤精一
ベッキー・チェンバーズ×長谷川 愛
三宅陽一郎×山田胡瓜
ププル・ビシュト×川崎和也

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SF作家ウィリアム・ギブスンが言うように「未来はすでにここにある」のだとすれば、個人や社会は、いったい何を課題と捉え、その課題に対してどう向き合っていくことが、「未来の選択肢を増やしていく」ことにつながるのだろうか。ここでは「技術」「環境」「人工知能」「脱植民地化」という4つの課題を抽出し、識者(キーメーカー)たちに独自の開錠方法を示してもらった。

Quantum Computers: The Shape-Shifting Animals

計算する自然を飼い馴らす 量子コンピュータという名の変身動物(シェイプ・シフター)

津久井五月

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すべての物理量があらかじめ完全に決まっているわけではないと説く「量子力学」は、どこか直観に反している気がしてならない。しかし、量子力学はむしろ人間的であり、それを応用した量子コンピュータは、自然から計算力を汲み出す唯一の方法であると専門家たちは示唆する。量子コンピュータ、量子暗号、量子センサー。量子情報科学を応用した次世代の技術が急速に芽吹き始めたいま、量子力学の核心をあらためて掘り下げるべく、SF作家・津久井五月が3人の研究者のもとを訪ねた。

2050: THE TOOL ODYSSEY with SPACE10

未来の生活はまだ見ぬ道具の先にある

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2050年代にわたしたち(またはあらゆる生物)はいかに暮らすのか。それはどのようなツールを実装するかを想像することでもある。故にSPACE10の扉をたたいた。人々と地球にとってよりよい日常を創造する、というタグラインを掲げたデザインのオープンラボだ。その8年間の成果、つまりアイデアと道具の未来像には、多くのヒントが宿っている。語り継ぐべき4テーマ/11プロジェクトを、対話とともに届ける。

There’s a WILL & There’s a WAY

2073年のHIP HOP キャンディス・Z・ブノワの“音楽×AI”ライフ

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1973年8月、ブロンクスのセジウィック通り1520番地の「娯楽室」で産声を上げたヒップホップが、生誕50周年を迎えた。これを機に、グラミー賞ラッパーのルーペ・フィアスコと計算生物学者のC・ブランドン・オグブヌが描くのは、50年後のヒップホップの世界。ふたつのシーンから見えてくる「変化」「不変」とは?

AS a TOOL

Wear Delights よい衣服は未来のために

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身にまとう喜びを知らなければ、わたしたちはいずれよい衣服を失ってしまうだろう。素材、形、機能、着心地、ものづくり。知るほどに心が動かされるファッションの多元的なナラティブがその源だ。30年後の未来とわたしたちの身体のために、いま記憶しておきたい。

NEW TRUST, NEW SOCIAL CONTRACT

水野祐が考える新しい社会契約 第15回 長期主義(long-termism)と未来世代法

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法律や契約とは一見、何の関係もないように思える個別の事象から「社会契約」あるいはそのオルタナティブを思索する、法律家・水野祐による連載。今回は、ウェールズで施行された「未来世代ウェルビーイング法」などを紹介しながら、未来世代の利益を考慮する長期思考への転換について考察。

DON’T LOOK BACK IN

なみちえのドライブ進化考 VOL. 02

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まさにいま、クルマは進化中。アーティストのなみちえが、モビリティと暮らしの関係を、ドライブしながら考える。連載の2回目はフレンチシックなフルハイブリッドのコンパクトハッチバック。

Way Passed Future

川田十夢の「とっくの未来」 第27回 唯物論とSpatial Computing

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文学が記述した「ジャンル分けされる前の未来」の痕跡を見いだし「いま」と接続することで、文学とテクノロジーを新たなパースペクティブで捉える本連載。今回のテーマはアップルが発表した「Vision Pro」。これから幕が開く時代がいかなるものなのか、ある唯物論哲学者を補助線として検証する。

WIRED(ワイアード)

『WIRED』は1993年に米国で創刊し、英語圏、スペイン語圏、中東、アジアで展開する世界で最も影響力のあるテックカルチャーメディア。この絶え間なく変化し続ける世界を理解するために必要な情報とアイデアの源泉であり、カルチャーからビジネス、科学、デザインに至るまで、生活のあらゆる側面をテクノロジーがいかに変えていくのかに光を当て、新たな思考や人と人とのつながり、そして新しい産業を生み出すブレイクスルーやイノベーションを「発見」している。