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理想的な都市の姿とはVol.3

4. ウォーターフロント・水辺の活用

(前回からの続き)

次に私が考える理想的な都市の特徴は「水辺」があること。水辺は人々を惹きつけ、都市をより美しくするとよく言われている。確かにウォーターフロントの不動産にはしばしば高値がつく。そんな水辺の重要性を少し掘り下げて解説したい。

まずはエコの観点から、なぜ水辺が重要かお話ししたい。最近のエコ住宅は冷暖房に熱交換を利用しているケースが増えている。主に地面の熱を活用した場合が多いが、川や池の水を熱源や冷却として活用しているエコな冷暖房システムもある(Water Source Heat Pumps)。冬の水温は気温よりも暖かい場合が多く、夏の水温は気温よりも低い場合が多い。海、湖、池、川などが近くにあれば、水温を冷暖房に活用でき、二酸化炭素の排出を削減できる(参考まで、下水の熱を活用したSewage heat recovery systemというものもある)。

次に水力発電。河川では水力発電、海では波力、潮力発電が得られる。都市が隣接していれば送電コストがかからない。湖や池のような流れのない場所でも、太陽光発電や風力発電の発電量が多すぎる時の余剰電力を使って水を高台に移し、電力が不足する時に放水し発電する揚水発電としても活用できる。いわば電力バッテリーとして水を活用できる(ブラジル・リオでは太陽光と水力発電を使った巨大な滝のような揚水発電のプロジェクトのコンセプトがあった)。

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エディンバラ Saughton Parkの小水力発電。公園の施設の電力を全て賄っている。

滝といえば、以前訪れたスペイン・カディスの公園にこんな人工の滝があった。滝壺には洞窟があり、とても涼しくて気持ちが良かった。水が溢れていると、滝やミスト等を使ったパブリックスペースの冷房として活用でき、広場や公園の噴水など楽しい演出にも使える。

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カディス Genoves Park

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パリ シャトレ―・レアル駅の広場。地面からミストが噴出している。

水辺の話に戻そう。ヨーロッパには自宅からそのまま泳げたり、カヤックに乗ったり、釣りができるようなほど水と近い建物がある。景色もきれいでなんとも素敵だ。日常にレジャーがあり、生活の豊かさを具現化したような住環境がある。ぜひとも、日本の都市にもこのような住環境を広めていきたい。

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ブリストル 市内の川でSUPを楽しむ人々。

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ストックホルム Hammarby Sjostadのウッドデッキでくつろぐ人々。

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ストックホルム Nackaの住宅街

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ストックホルム Nackaの住宅 バルコニーからそのまま泳げるようにハシゴがついている。

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アムステルダム Noordのボートハウス

水辺で暮らし、遊べるには水がきれいであることが不可欠だ。誰もゴミだらけのドブ川の隣では住みたくないし、都会できれいな水質を維持することは容易でない。ではどうやって、水質をきれいに保っているのか。

バイオフィルトレーション(biofiltration)という言葉をご存じだろうか。要するに水を植物や砂利や砂を通し、浄化すること。自然の作用を活用しているので維持も簡単。Hammerby Sjorstadtなどスウェーデンのまちでは、市街地と水辺のと間に設置されている。植物や砂利がゴミをトラップすることで、河川や海への流入を防ぎ、市街地から流れてくる水をここでワンクッション貯めて、浄化してから放出する仕組みとなっている。

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ストックホルム Hammarby Sjostad 自然のプロセスで水を浄化している。

その他にもリードベッド(Reed Bed)といわれる、水の水質向上に役立つとされるアシやヨシ系の植物を植える取り組みも広がっている。簡単に設置することが可能で、鳥や魚など水辺の生き物の住みかにもなる。

もちろん、これだけで劇的に水がきれいになるという事はないけれども、こうした小さな取り組みが普及することが大切だと思う。

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ロンドン Regent’s Canalなど至る所でReed Bedsが導入されている。

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ロンドン 浮体式Reed Bedsの概要


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