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クマ財団で支援する若手クリエイターの発表の場 6期のクリエイター奨学生5名が参加

次世代を担うクリエイターの育成に取り組むクマ財団は、クリエイター奨学生第6期・55名が発表するシリーズ「KUMA experiment」の第4弾として企画展「はっきりとしたかたちをもたない」を2022年11月26日から12月4日まで開催する。多様な領域で活動する6期のクリエイター奨学生5名が、それぞれの試みを発表する。adf-web-magazine-kuma-experoment-vol.4-1

はっきりとしたかたちをもたない

例えばここに、一つの物体があったとする。
あなたも私も、それを語る言葉をもたない。
形は定まらず、解釈も前後に広がってゆく。
これは一体、誰の何だろう?
掴む。それは形を変えて逃げていく。錆の匂いを憐れむ前に、手のひらを滑って零れ落ちる。
拾う。それは皮膚を通過して飛び跳ねる。振動と静止と振動。導かれる秩序は無色透明。
見る。それは網膜の刺激を消去する。私は形を知覚できず、したがって全ては薮の中。
読む。それは脳内の活字を分解する。黒と白は混ざり合って灰になり、再び拒絶し合って何かになる。
知る。分野の境目が千切れゆく。点と点はいつまで経っても点のまま、描かれたぶつぶつの線のみが、反乱のために立ち上がる。
一つに定めることが難しい私たちのリズムを、型にはめられない輪郭の営みを、連綿と繰り返すことによって、「不定」が「調和」へ変化する、その瞬間を捉えるべくシャッターを切る。
映された風景は、はっきりとしたかたちを現すかもしれない。

コエダ小林(KoedaKobayashi)

コエダ小林は1996年生まれ。兵庫県姫路市の村で育つ。2019年、安積伸の事務所で経験を積む。個人でデザイン事務所を営みつつ、東京藝術大学に所属。また「21B STUDIO」としてチームでも活動を行う。自然現象の翻訳をテーマに研究者のように意識深く物事に向き合いつつ、探検家のように純粋に探求を楽しんでいる。

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コエダ小林 《面壁千年》 2020

 

中川 朝子(Asako Nakagawa)

中川 朝子は2000年生まれ、愛知県在住。医学部進学を機に小説を書き始める。大学で学んだ専門知識を土台として、特異的な身体感覚を活用した比喩表現と、「IF」から分岐する無限の選択肢の検討をテーマに、純文学・SFの設計を目指す。将来の夢は手塚治虫になること。

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中川朝子《逃走する言語》2022

道上 竣介(Michigami Shunsuke)

道上 竣介は2000年長崎県佐世保市生まれ。佐世保高専を経て東工大 工学院 へ所属。モノづくりが好きで自分の思い描くものを自由に実現できるよう勉強している。音景解析技術を用いて、音より周囲の状況を把握するシステムの研究を行っている。森における害獣・害虫の分布測定や街中における防犯などへの応用を目指す。

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道上竣介《OtoDeMiru》2022

望月 草馬(Mochizuki Soma)

望月 草馬は2002年京都府生まれ。筑波大学 学士2年。中学生の時にVRに惹かれ、高校では超音波を用いて触らずに触った感触を提示する装置の開発に取り組む。大学進学後は物理世界の情報量の欠落による実質世界との消極的融合ではなく実質世界の情報量の増加による積極融合を目指し、新たなメディアの開発に挑戦している。

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月草馬《非接触型触感提示装置》 2019

横山 渚(Yokoyama Nagisa)

横山 渚は1997年生まれ。東京藝術大学美術研究科先端藝術表現専攻修士課程在籍中。自然と人工の関係性をテーマに、写真・映像・インスタレーションなどを用いて展開している。

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横山渚《Landscape》2019

クマ財団6期生(55名)による企画シリーズ「KUMA experiment」

「KUMA experiment」は、U25の若手クリエイターの創作活動のプレゼンテーションの場として、社会とつながることを目的に、実験的な発表の場を目指す。数名で構成する10のチームがそれぞれのテーマを導き出し、掲げるテーマを通じて、既存の枠組みに囚われず、彼らの視点で現代の社会を見つめる。発表する全55名の活動ジャンルは22種類に及び、9会期にわたり六本木のクマ財団ギャラリーにて開催するグループ展ではアート、テクノロジー、デザインなど多領域の作品を発表。

クマ財団について

コロプラ創業者である馬場功淳が2016年に設立した、次代を担う若きクリエイターの活動を支援・助成することを目的とした財団。25歳以下の学生クリエイターを対象とした「クリエイター奨学金制度」の制定を主軸に、勉強会・交流会といったインプット機会の提供や、制作した作品の展示会など発表の場の提供。加えて卒業生を対象とした助成金「活動支援制度」などあらゆる側面から創作活動を支援している。adf-web-magazine-kuma-experoment-vol.4-2

クマ財団ギャラリー

クマ財団クリエイター奨学生ならびに活動支援生の作品発表の機会を継続的に持つことを目的に、2022年4月に東京・六本木にオープン。文化とアートの中心の一つである六本木で年間を通じて、当財団が支援する若手クリエイターの発信し、若い才能が持つ無限の可能性を社会と繋げていく。adf-web-magazine-kuma-experoment-vol.4-3

「はっきりとしたかたちをもたない」開催概要

出展コエダ小林 / 中川 朝子 / 道上 竣介 / 望月 草馬 / 横山 渚
会期2022年11月26日から12月4日まで
時間12:00 ~ 19:00
料金無料
会場クマ財団ギャラリー