異なる表現が交わる対話のプロセス
ARTDYNEは梅原義幸と岩崎奏波による二人展「交換ノート」を2025年2月21日(木)から3月16日(日)まで開催する。二人は多摩美術大学の同期であり、それぞれ独自の表現を探求し続けている。本展は、友人同士である二人の交流と対話の過程を可視化する試みとなる。
展覧会タイトル「交換ノート」は、学生時代に友人同士がノートを交換しながら自由に言葉や絵を綴るように、二人の思考や制作態度が相互に作用し、発展していくことを象徴している。異なる表現方法を持ちながらも、それぞれのテーマに対する独自のアプローチが交差し、新たな視点を生み出す。作品が変化するプロセスを展示することで、鑑賞者もまた、二人の対話に耳を傾け、作品との対話を試みる機会となる。
交換ノートが生んだ新たな視点
岩崎奏波と梅原義幸は、二人展の開催をきっかけに、お互いの作品への理解を深めるために交換ノートを始めた。言葉や絵を交わすことで、日々の制作との共通点や、互いの作品に対する新たな視点を得ることができたという。岩崎は交換ノートを「閉じる」ことができる存在として捉え、独立した空間の中で梅原と対話している感覚を持った。その経験から、別空間へのゲート、身体的な距離感、閉じた空間での対話といったテーマを考察し、制作に落とし込んでいる。
一方、梅原は交換ノートを通じて二人で一つの作品を作り上げるような感覚を抱いた。ゆっくりと薄い層を重ねるように、数ヶ月にわたって1ページずつ交互に書かれ、郵送の往復で少しずつ汚れていくノートには、互いの時間とイメージが蓄積されていた。
作家プロフィール
岩崎奏波 | Kanaha Iwasaki
1996年沖縄県生まれ。2022年多摩美術大学大学院 美術研究科博士前期課程絵画専攻油画研究領域修了。記憶の変化や時間の流れ、物語がどのように絵画空間の中で語られるかを探求する。主な個展に「おぼえている?」(GALERIE OVO 十方藝術空間、台北、2024)、「motion・decoration」(THE LOOP GALLERY、東京、2023)など。
梅原義幸 | Yoshiyuki Umehara
1997年群馬県生まれ。2020年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。ペインティングナイフを用いた厚塗り技法を特徴とし、「想像上の世界」と「現実世界」の狭間に存在する情景を描く。主な個展に「ものと私」(ARTDYNE、東京、2023)、「透明な鏡」(Night Out Gallery、東京、2023)など。
梅原義幸 × 岩崎奏波 二人展「交換ノート」開催概要
会期 | 2025年2月21日(木)から3月16日(日)まで |
時間 | 12:00~19:00 |
URL | https://www.art-dyne.com/ |