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感覚を超えた繋がりを体験するインスタレーション

WHAT MUSEUMは現代美術家・奥中章人による展覧会「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」を2024年10月4日から2025年3月16日まで開催する。本展では最大直径12メートルにも及ぶ体験型のバルーン状彫刻作品が展示され、訪れる人々に独自の感覚体験を提供する。

展覧会の特徴とコンセプト

展覧会タイトルの「Synesthesia」は共感覚を意味し、独自に解釈している。自然、社会、人間を繋ぐ新たな表現として作品に取り入れた展示室いっぱいに広がる巨大なバルーン状のインスタレーション作品が展示される。この作品は色とりどりに変化しながら空間を満たし、その内側には大きな水枕が設置されている。空気、水、光という形のない要素を媒介にして、人々の感覚を呼び覚まし、他者とのつながりを感じさせる場を提供している。

INTER-WORLD/SPHERE: Relation of Air, Water, Light and Us
2022年
©️Akihito Okunaka

奥中は科学技術社会学の哲学者ブリュノ・ラトゥールの思想に影響を受け、特に自然と社会の二元論を超える新しい視点を作品に反映させている。彼の作品は空気や水、光といった自然要素の性質や存在を通じて、人間と物事とのダイナミズムを探求するもので、展示ではこの哲学的な思考を作品にどう落とし込んだのか、その制作過程や背景に関する資料も紹介されている。

作品体験と展示内容

本展覧会の目玉であるバルーン状のインスタレーションは鑑賞者が実際に触れたり、中に入ったり、寝転んだりして体感できる作品。これにより、鑑賞者は五感を通じて作品を深く感じ取ることができる。空気や水、光といった形のない存在を体感することで、他者と身体的感覚を超えた「つながり」を感じ取り、動いたり触れたりすることで作品がゆらめく様子は他者とのインタラクションを実感させる。さらに、奥中がインスピレーションを受けた書籍や制作の過程で描かれたデッサン、走り書きのメモも展示されており、来場者は彼の思考過程を辿ることができる。また、奥中本人のインタビュー映像も公開予定で、作品の制作意図やその背後にある哲学的な考えについての理解を深めることができる。

INTER-WORLD/SPHERE: Relation of Air, Water, Light and Us
2022年
©️Akihito Okunaka

INTER-WORLD/SPHERE: Relation of Air, Water, Light and Us
2022年
©️Akihito Okunaka