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瀬戸内ギャラリー第3回企画 藏本秀彦・水谷一 美術展「国讃めと屍」 開催

瀬戸内アートコレクティブは、「地域社会とアーティストの間にパートナーシップを創り出し、持続的な価値創造に繋がるプロジェクトを構築すること」をテーマとして様々な取り組みを行なっている。その取り組みのフロントラインとして現在、瀬戸内海歴史⺠俗資料館様との協働企画、美術展「国讃めと屍」を2021年10月1日(金)から12月19日(日)まで開催している。本展は⺠俗資料と現代アートのコラボレーションが実現した希少な体験のできる機会となっている。出展は二人の現代美術アーティストの藏本秀彦と水谷一。

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沖つ波来よる荒磯を 敷きたへの枕とまきて 寝せる君かも

柿本人麻呂

これは飛鳥時代の歌人、柿本人麻呂によるもので、瀬戸内海に浮かぶ島、現在は埋め立てられて陸続きとなっている沙弥島(香川県坂出市)を訪れた際、岸の岩場に倒れた亡骸を見て詠んだ歌の反歌。藏本秀彦と水谷一は今回、柿本人麻呂の和歌からインスピレーションを得て、東日本大震災や、海の彼方に先祖の霊を送る精霊船の習俗などに思いを寄せ、木造船や漁具といった数々の過去の遺品が展示された大空間を背景とし、作品を展開する。本展は、展覧会場の現場だけでなく、マターポートや記録集など、多層的に本企画はその表現の幅を広げ、公と⺠の連携・協働より生まれた展示会となっている。

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マターポート(オンライン上での3D現場体験)

藏本 秀彦 (くらもと ひでひこ)

筑波大学大学院芸術研究科修了。学生の頃より和歌山版画ビエンナーレ、西武版画大賞展、クラコフ国際版画トリエンナーレ、ブダペスト国際展など版画領域で独自な手法が注目される。その後「毎日現代展」に連続出品。「安井賞展」「VOCA」「ACRYLAWARD」「FACE」「ARTOLYMPIA」や「CROSSPOINT」(香川県立ミュージアム「高松市)美術館コレクション+木村忠太とこぼれる光の中で」(高松市美術館)などに出品。県内ではKinco.hostel+café、あーとらんどギャラリーなどで個展開催。その他、蝉丸(山海塾)、梅津和時(sax)、岩下徹(ダンス)、高橋芙美(渋さ知らズ)、usaginingen(artist)などコラボレーションも多い。

水谷 一 (みずたに はじめ)

定住化の影響、人や動物の認知過程、社会変化、死生観の変遷について思考し、国内外で滞在制作を行う等、様々な機会、状況との影響関係の中で表現の実態や実体を問う。2000年代始めに高速道路を思わせる鳥瞰的風景画でキリンアートアワード(奨励賞、2003年)等、コンペティションを中心に発表を重ね、INAXギャラリー(東京)での個展(2003年)を経た2004年、国際芸術センター青森において場を取り込むインスタレーション『襞(ひだ)』を発表。それ以降、多様な表現手法を用いながら2021年までに14のアーティスト・イン・レジデンス参加。2010年「VOCA新しい平面の作家たち」、2013年「瀬戸内国際芸術祭」、2020年「富士の山ビエンナーレ」、2021年「歓喜のうた(愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURAでの個展)」他、展覧会に出展。2019年、文化庁新進芸術家海外研修制度によりベルリンに一年間滞在。また、2021年「イタリアの三日月」(AzumateiProject、神奈川)等、展覧会企画も行う。