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都市とアートの関係性を考える

シモキタ エキマエ シネマ『K2』で、「K2アートウィーク『都市と幻影(ヴィジョン)2024』」が2024年9月13日(金)から開催される。本イベントは同じく9月13日から始まる下北沢のアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢2024」との連動企画。二部構成で、第一部では下北沢のまちに”月”が出現し一時的にまちの風景が変わるムーンアートナイトがもたらす状況を起点に、「都市にどこまで不思議を生み出せるか?」をテーマとして、現代アートと都市の関連性を考える2作品を上映。第二部ではシンガポールのアーティスト、ホー・ツーニェンの美術作品を上映、映画館と美術作品との新しい関係性について考える。各プログラムの上映時間含む詳細はシモキタ エキマエ シネマK2のウェブサイトおよびSNSにて告知される。

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第一部:都市のヴィジョンを変えたアーティスト(9月13日~9月16日)

オラファー・エリアソン 視覚と知覚【2009年/デンマーク/77分】

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デンマークの現代美術家オラファー・エリアソンを追ったドキュメンタリー。2008年に総制作費約17億円をかけ、世界55カ国の約140万人が鑑賞、75億円超の経済効果を記録した、ニューヨーク市イースト川での巨大な滝のインスタレーション「ザ・ニューヨークシティー・ウォーターフォールズ」の制作過程の模様を中心に、2009年に金沢21世紀美術館で開催された個展の出展作品、ドイツのスタジオでの制作風景を映し出す。また、創作や講演のため世界中を奔走する姿も収め、エリアソン自身が視聴者に語りかけながら行う視覚的実験や、独自の芸術論が展開される。

バンクシーを盗んだ男【2017年/イギリス・イタリア合作/93分】

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ロンドンを中心に世界中で神出鬼没な活動を展開する正体不明なグラフィティアーティストのバンクシーと、数千万円~1億円という超高額で取引される彼の作品が人びとに及ぼす影響力に肉迫したドキュメンタリー。パレスチナ・ヨルダン西岸地区にあるベツレヘム。紛争地区に指定されているその場所にはパレスチナとイスラエルを分断する高さ8メートル、全長450キロを超える巨大な壁が存在する。その壁にバンクシーが描いた「ロバと兵士」の絵は、パレスチナの住民たちの反感を買い、絵が描かれた壁はタクシー運転手のワリドによってウォータージェットカッターで切り取られてしまう。ワリドはその壁画をオークションに出品し、最高額の入札者への売却を試みるが……。

トークイベント(9月14日) ゲスト:目 [mé]

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アーティスト 荒神明香、ディレクター 南川憲二、インストーラー 増井宏文を中心とする現代アートチーム。個々の技術や適性を活かしたチーム・クリエイションによる制作活動を展開。観客を含めた状況/導線を重視した作品を国内外様々な場所で発表している。

トークイベント(9月15日)ゲスト:港千尋

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写真家・著述家・多摩美術大学教授。記憶と創造をテーマに出版・展示・キュレーションなど幅広い活動を行う。近著に『写真論』『武満徹、世界の・札幌の』など。近年はヒルマ・アフ・クリントをテーマに撮影と執筆を続けている。

第二部:ヴィジョンを提示するアーティスト(9/17~)

ホー・ツーニェン作品『Earth』、『The Cloud of Unknowing』を上映

ホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen)

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1976年シンガポール生まれ、同地在住。美術史から演劇、映画から音楽、哲学に至るまで、数多くの東洋と西洋の文化的な参照を幅広く盛り込みそして再編成するホー・ツーニェンの作品は、神話の物語と歴史的事実を融合することで、書物や伝承から伝わっている歴史とは異なる歴史を想起させる。ホーの作品の中心的なテーマは、東南アジアにおける複数の文化的アイデンティティの俯瞰的リサーチ。東南アジアは、言語、宗教、文化、影響力の点で非常に多面的であるため、単純な地理的要素や何らかの歴史的基盤に還元することは不可能であり、その複雑性が、さまざまな知識・物語・表現として作品に織り込まれている。

主な個展にヘッセル美術館(2024年)、アート・ソンジェ・センター(2024年)、東京都現代美術館(2024年)、シンガポール美術館(2023年)、ハマー美術館(2022年)、豊田市立美術館(2021)、クロウアジア美術館(2021)、山口情報芸術センター[YCAM](2021)、エディス・ラス・ハウス・フォー・メディアアート(オルデンブルク、2019)、ハンブルク美術館(2018) 、ミン現代美術館 [McaM] (上海、2018)、アジア アート アーカイブ (2017)、ビルバオ グッゲンハイム (2015)、森美術館 (2012)、ザ サブステーション (シンガポール、2003)など。第54回ヴェネチア・ビエンナーレ (2011 年) ではシンガポール・パビリオンの代表を務めた。