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防災とアートを結ぶ新たな公共空間

代々木駅近く青山街道架道橋のガード下に、国際的に活躍するアーティスト ロッカクアヤコによる大型壁画が完成し、2025年4月15日から一般公開されている。本作品は渋谷区が推進する「シブヤ・アロープロジェクト」の一環として制作されたもので、全長約50メートルにもおよぶパブリックアート。作品の設置を通じて、災害時に来街者が一時的に退避できる場所を平時から広く周知することを目的としている。

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Courtesy of the artist

ロッカクの壁画は彼女の代表的なモチーフである少女や動物的なかたちが、カラフルで力強い色彩の中に溶け込み、躍動的に描かれている。暗く閉ざされた印象のあったガード下空間に、春を思わせる鮮やかな色彩が広がり、街ゆく人々の目を引き、心を和ませる景観が生まれている。このプロジェクトは2017年に渋谷区により発足し、2024年以降はブランディングを一新。Barry McGeeや森山大道、HITOTZUKIといった国内外の著名アーティストが参加してきた。災害時の帰宅困難者対策が社会課題となる中、公共空間にアートを展開することで、一時退避場所の存在を視覚的に訴える新たな試みとなっている。adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-3adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-7adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-6

ロッカクアヤコは千葉市出身。20歳頃より独学で制作を始め、絵筆を使わず手に直接絵の具をのせて描くスタイルを確立。2006年にはGEISAIでスカウト賞を受賞し、その後ヨーロッパを中心に国際的な評価を得ている。ポルト、ベルリン、東京を拠点に活動を続け、2025年5月にはスペイン・マドリードのティッセン=ボルネミッサ国立美術館での個展も控えている。初期から一貫して、手の感覚を通して描く身体的なアプローチを軸に、ネオンカラーの色彩で少女たちのイメージを描き続けてきたロッカク。今回の壁画でも、無限に広がる色の世界の中で、希望や安らぎを感じさせるビジュアルを通して、街に寄り添うパブリックアートの可能性を示している。adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-5adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-4adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-1adf-web-magazine-large-mural-rockfish-ayako-8

展示情報

  • 作品公開場所:青山街道架道橋(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-31)
  • 最寄りの一時退避場所:明治神宮・代々木公園一帯(東京都渋谷区代々木神園町2-1)
  • 公開期間:現在公開中(終了日時未定)