刻印された文字とその消失をテーマに
東京・天王洲のTerrada Art ComplexⅡ 1階にあるギャラリー、YUKIKOMIZUTANIにて、坪本知恵個展「間の形 -undetermined forms-」が2023年6月16日(金)から7月8日(土)まで開催する。安藤正楽の「日露戦役記念碑」との出会いは、坪本知恵に強烈なインパクトを残した。愛媛県四国中央市土居町藤原の八坂神社境内にある「日露戦役記念碑」- 政治的、歴史的背景から文字が削られたまま次世代へと受け継がれるこの石碑が、彼女を作品制作へと誘う。刻印された文字とその消失をテーマに、自身初の個展を開催する。
ステンシルを用いて何度も塗り重ねられた文字は意味が読み取れないが、白い下地の間に見え隠れする「とめ・はね・はらい」からそれらが文字であると認識することができる。坪本は過去を「伝わる」と「伝わらない 」の連続であると表し、その認識齟齬の上に今があるのだと考え、そのような不確定で不確実な現実とどう付き合うのかを制作の中で模索している。字と形の間で認識を揺さぶる作品から、坪本のフィロソフィーが垣間見える。
坪本知恵
1997年愛媛県生まれ。2020年京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)美術工芸学科修了。言葉の保存と伝達をテーマに作品を制作。近作は安藤正楽による日露戦争記念碑からインスピレーションを受け作品制作を行う。現在は京都を拠点に活動。
2019年クマ財団3期生、2018年「OSTEN BIENNIAL of DRAWING Skopje 2018」ではファイナリストに選出。2017年「ULTRA GLOBAL AWARD 2017」後藤繁雄賞。コーポレートコレクションにおおさか創造千島財団(大阪)、OCA Tokyo(東京)、OSTEN(北マケドニア)がある。
個展「間の形 – undetermined forms –」開催概要
場所 | YUKIKOMIZUTANI |
会期 | 2023年6月16日(金)から7月8日(土)まで |
時間 | 火曜 ~ 土曜 / 12時 ~ 18時 |