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名建築とアートを融合した芸術祭

マツモト建築芸術祭実行委員会は第2回目となる「マツモト建築芸術祭2023」を2023年2月4日(土)に開幕し、名建築とアートを融合した芸術祭として2月26日(日)までの23日間、開催する。松本城、旧開智学校と、2つの国宝がある長野県松本市。市内中心部にはこれらの国宝のほか、大正から昭和初期に多く建設された正面だけを西洋風に装飾した店舗兼住宅「看板建築」や、江戸時代の武家屋敷に始まったとされるなまこ壁の土蔵造りの建物、昭和の趣を残す商業ビル、さらには著名な建築家による現代建築も名建築としてまちのあちこちに点在している。

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[マツモト建築芸術祭2023]メインビジュアル|MISSISSIPPI

「マツモト建築芸術祭」ではそれらの名建築を主役に据え、アートを対比・融合・共鳴させることで松本の新たな表情を引き出し、松本に新たな価値を生み出している。今回は19会場に17作家をプロット。絵画、立体、写真、映像など多彩な作品を建築空間を生かした「インスタレーション」として展示し、普段見慣れているまちや生活の場にアートを介入させる。

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マツモト建築芸術祭2023 フライヤー表

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マツモト建築芸術祭2023 フライヤー裏

たとえば、割烹 松本館の99畳ある豪華絢爛な大広間には、世界で活躍する日本画家、福井江太郎の《flightless I〜IV》。営業中の料亭での展示のため駆け回るダチョウの中で宴席が設けられる日もあり、襖絵や屏風のように日本画が日本人の暮らしに溶け込み、生活の中で美を愛でてきた歴史を改めて感じさせる。

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[マツモト建築芸術祭2023]割烹松本館 × 福井江太郎 ©︎photo Kazumi Kiuchi

松本の多様な名建築が再評価される機会に

松本は松本城や旧開智学校などの国宝や、国の登録有形文化財など歴史的建造物が数多く残るまち。しかしそれ以外にも、大正から昭和初期に多く建設された正面だけを西洋風に装飾した店舗兼住宅「看板建築」や、江戸時代の武家屋敷に始まったとされるなまこ壁の土蔵造りの建物、昭和の趣を残す商業ビル、さらに著名な建築家による現代建築も名建築としてまちのあちこちに点在している。それらは全て街の財産であり、松本の個性を形作っている。当芸術祭では多種多様な名建築の価値を再認識し再評価することで、失われゆく建物の保全活動への機運を高める。

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[マツモト建築芸術祭2023]下町会館 × 青木悠太朗-©︎phot Kazumi Kiuchi

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[マツモト建築芸術祭2023]下町会館 × 青木悠太朗-©︎photo-Kazumi-Kiuchi

松本市近代遺産を守る民間からの取り組み

松本市では近代のまちの歴史を伝え、まちの魅力向上につながる建造物を「松本市近代遺産」と位置付けて、保全活用の取り組みを行っている。しかし認定されていながら取り壊されるケースも少なくない。当芸術祭では1戸でも多くの建築物を若い世代につなぐため、アートを介入し普段見慣れていた風景を一変させ、名もなき名建築の価値を高めることを目指す。展示を通して空間作りの提案も行い、生きた建築として活用する流れを作り松本近代遺産に認定されていない建物も含め民間から建物の保全に取り組む。

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[マツモト建築芸術祭2023]松本市立博物館 × 白鳥真太郎 ©︎photo Kazumi Kiuchi

実力あるアーティストの作品が松本に集結

当芸術祭では、アーティストの質の高さも魅力の一つ。今回、割烹松本館に展示するのは、世界的に活躍する日本画家の福井江太郎。一つ間違えれば埋もれかねない煌びやかで迫力のある大広間に、大きな存在感を放つ。また、イギリスの陶芸家、ステファニー・クエールの野生味あふれる動物たちは茶室を埋め尽くす苔に潜む。他にも昨今注目を集める実力派アーティストをはじめ、これから頭角を表す若手作家の発掘にも力を入れている。

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[マツモト建築芸術祭2023]池上百竹亭茶室 × ステファニー・クエール-©︎photo-Kazumi-Kiuchi

従来の芸術祭にはないテーマに挑む

芸術というものを本来の立ち位置である「身近なもの」とするために、経験に裏打ちされた感性をもとに構成。従来であれば芸術祭には参加しにくかったデザインやファッションについても、その芸術性を高く評価し出展している。固定概念にとらわれず、さまざまな分野を横断するような試みも当芸術祭の特徴で、今後も他の芸術祭にはない新たな試みに挑戦していく。

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旧三松屋蔵座敷×ドローグ・デザイン ©︎photo Kazumi Kiuchi

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[マツモト建築芸術祭2023]旧油三洋裁店 × ヨーガン・アクセルバル × amachi. ©︎photo Kazumi Kiuchi

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[マツモト建築芸術祭2023]旧油三洋裁店 × ヨーガン・アクセルバル × amachi. ©︎photo Kazumi Kiuchi

「マツモト建築芸術祭2023」開催概要

テーマ名建築にアートが住み着くマツモトの冬。
会期2023年2月4日(土)から2月26日(日)まで
会場松本市内19箇所
作家16名 + 1ユニット
時間10時~17時(会場により異なる)