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直島のグランピング型リゾート施設「SANA MANE」に隈研吾設計事務所デザインのサウナ施設が誕生

瀬戸内海に浮かぶ直島でグランピング型リゾート施設を営む「SANA MANE」に、隈研吾建築都市設計事務所の隈太一が設計を担当した新しいサウナ施設「SAZAE」が誕生する。宿泊者のみが利用できる完全貸切サウナとして2022年10月上旬にオープン、予約は9月末から受付を開始する予定。adf-web-magazine-naoshima-sana-mane-sazae-kengo-kuma-1

瀬戸内海の穏やかな気候と美しい自然を有する直島は、現代アートの聖地としても知られている。そんな魅力あふれる直島の片隅にゆったりと佇む「SANA MANE」は、大自然・アート・リゾートの融合する幻想的な空間を提供している。約3年前から施設内にテントサウナを設置し2年間運営してきたが、サウナの利用客からの反響が大きく、このたびのサウナ建設に至った。adf-web-magazine-naoshima-sana-mane-sazae-kengo-kuma-2

新サウナ施設「SAZAE」について

現在新設中の「SAZAE」は、その名が表す通り巻き貝を想起するようなころんとしたフォルムが特徴的。全体が美しく柔らかな曲線で型取られ、存在感がありながらも風景に溶け込むデザインが目を引く。サザエ(サのつく貝)の外殻に着想を得て、1000枚以上の合板を積層している。

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巻き貝のスリット部分が入口に

中へ入ると、曲線と曲面で構成された神秘的な空間が広がる。天に向かってゆったりと渦巻く壁面と、天辺に穴の空いた構造は、まさに貝殻の内部さながら。採光は空から差し込む光と足元の間接照明のみで、季節や時間帯によって変化する自然の光を楽しむことができる。

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サウナ室内は細かなひだが折り重なった構造

通常は熱気が上部に溜まるため、温度を逃さないようサウナ建築として天井の穴は避けられてきたが、今回オリジナルの吸排気システムを導入し、実現に至った。座面は体にぴったりフィットするよう曲線で構成され、背中がべたっとつく曲面と素肌で触れても不快感のないつるっとした質感の木肌で、ストレスなく汗を流すことができる。水風呂は、大人が大の字で寝転がって浸かれる広さ。空を見上げて外気を存分に味わうことができる。3D CADソフトを用い、熱環境、風環境のシミュレーションを行ったことで、最高の温熱と蒸気が体験できる仕組みだ。adf-web-magazine-naoshima-sana-mane-sazae-kengo-kuma-9

サウナは、サウナー専門ブランドのTTNEが手掛けており、「SAZAE」での”ととのい体験”により、人が自然とつながり、アートとつながり、それが直島の魅力とつながっていくような体験を楽しめるよう工夫を凝らしている。

プラン・料金・収容人数等、施設の詳細は後日発表予定。

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陽が落ちるとより神秘的な雰囲気に

隈太一 プロフィール

隈研吾建築都市設計事務所 取締役・パートナー。1985年東京都生まれ。東京大学大学院建築学専攻博士課程修了。2020年入所、同年よりパートナー。 担当作は「宜野湾海浜公園屋外劇場」「タカハマカフェ」等。