グランプリは、ポー・ユン・ルーによる認知症高齢者のリハビリテーション支援ツール「Rewind」が受賞
次世代を担うクリエイターの育成・支援を目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2022」のグランプリが決定した。57の国と地域から集まった1,726点の応募の中から選ばれたのは、ポー・ユン・ルーによる認知症高齢者のリハビリテーション支援ツール「Rewind」。豊かな社会とより良い未来を創造するためにLEXUSが掲げる3つの基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」、そして今回新しく審査項目として追加された「Enhance Happiness(そのアイデアがいかに人々に幸せをもたらすか)」を最も具現化していると評価された。
ポー・ユン・ルーを含む6組の入賞者は、2022年の1月以降、アイデアを形にしていくプロトタイプの制作に取り組んできた。審査員である、サム・バロン、ジョー・ドーセット、早野洋介、サビーヌ・マルセリスらの熱心な指導のもと、約3ヶ月間かけてアイデアをブラッシュアップした。世界で活躍するクリエイターたちによる直々の指導は、入賞者たちにとって貴重な経験となった。
また「LEXUS DESIGN AWARD 2022」の新しい賞典として、各入賞者は、本アワードの審査員を務める、パオラ・アントネッリ、アナパマ・クンドゥ、ブルース・マウ、サイモン・ハンフリーズと1対1で個別に交流する機会を持ち、作品に対するフィードバックだけでなく、今後のキャリアやビジョンについても話し合うことができた。
なお、LEXUS DESIGN AWARD 2022の入賞者6組のプロトタイプは、2022年6月6日から12日にイタリアで開催される世界最大級のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2022」のLEXUS展示エリア内で一般に公開される予定。
LEXUS DESIGN AWARD 2022 入賞作品
グランプリ:「Rewind」ポー・ユン・ルー
慣れ親しんだ動作を再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こすためのリハビリテーション支援ツール。手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶を呼び起こすきっかけとなる。記憶を呼び起こす様々なシーンをプログラムに組み込み、認知症という世界的な社会課題に対する支援ツールを、いかに身近で取り入れやすいものにするかという点を重視して、実践的なアイデアへと発展させた。
「Chitofarm」シャーロット・ボーニング & メアリー・レンプレス
ミールワーム(餌用の虫)が廃棄発泡スチロールを食べて消化することに着目したエコシステム。発泡スチロールゴミを、より安全に、そして簡単に処理することのできる革新的な提案。
「Hammock Wheelchair」Wondaleaf
車いす、フォークリフト、ハンモックの3つの機能を持ちあわせた介護用の椅子で、介護者の身体的負担を軽減するために介護者の目線で開発された。布がパレットの役割を果たし、2本のつめが付いた車いすがフォークリフトの役割を果たす。
「Ina Vibe」Team Dunamis
軽量で持ち運び可能なソーラー式調理器具。電力供給が不安定な地域において、環境に配慮した電力を供給することができる。付属のバッテリーパックから照明や、その他のデバイスへの充電も可能。
「Sound Eclipse」Kristil & Shamina
ノイズキャンセリング技術を活用し、屋外の騒音を打ち消すことで、窓を開けた状態でも静かな室内環境で楽しむことを目指す。
「Tacomotive」三國 孝
薄いシートを切り抜いた様々な文様が創り出す触感を利用して、感覚的に情報を伝える触覚言語。識字能力に左右されない全く新しいコミュニケーションツール。
LEXUS DESIGN AWARDについて
2013年に創設されたLEXUS DESIGN AWARDは、世界中の新進気鋭のクリエイターに焦点を当てる国際デザインコンペティション。より良い未来を形成する力を持った作品を制作するデザイナーやクリエイターを支援することによって、社会に貢献するアイデアを育むことを目的としている。世界的に認知された一流のデザイナーをメンターとして、提案したデザイン案のプロトタイプ化に取り組む貴重な機会を6組の入賞者に提供している。