「LEXUS DESIGN AWARD 2021」グランプリ作品が決定
LEXUSは、主催する国際コンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2021」において、デンマークを拠点に活動するデザイナー、ヘンリー・グロガウによる「Portable Solar Distiller」をグランプリに選んだ。今年は、世界66ヶ国/地域から集まった2,079点の応募があり、選ばれたファイナリスト6組の入賞者たちは、世界的に活躍する4名のクリエイターのメンタリングを受けながら3ヶ月にわたりプロトタイプの制作に取り組み、最終選考会に臨んだ。
グランプリに選ばれた「Portable Solar Distiller」は、太陽光を活用して、汚染された水や海水を蒸留し、きれいな飲料水をつくりだす作品。現地で調達可能な素材を使用し、高度な技術を必要としないアイデアは、飲料水の確保が困難な人々に寄り添うものだ。また、折りたたんで持ち運び可能で、広げて設置した際には人々が集い日差しを避けるためのコミュニティ建築の役割も果たす。
また入賞者6組には、「LEXUS DESIGN AWARD 2013」受賞者で、現在は日本と英国でデザイナーとして活躍するTangent 吉本英樹がデザインしたトロフィーが贈られた。
LEXUS DESIGN AWARD 2021 FINALISTS
作品名:Portable Solar Distiller
受賞者名:ヘンリー・グロガウ
太陽光を活用して汚れた水や海水を蒸留するためのソリューションで、高度な技術を必要としないようデザインされている。新鮮な水を提供すると同時に、人々が集い日差しを避けるためのコミュニティ建築の役割も果たす。軽量で多様な構造は、地域の環境や人々のニーズに応じて多様な素材、方法で制作することができる。
作品名:CY-BO
受賞者名:阿部憲嗣
生物の細胞の接合から着想を得た新しい梱包材で、ピースを組み合わせることで、さまざまな形状に変化させることができる。何度でも組み替えて再利用でき、アイデア次第で小物やインテリアなど、梱包材以外の用途にも活用できる。
作品名:Heartfelt
受賞者名: ゲイル・リー&ジェシカ・ヴェア
パンデミックの時代における、“人が存在すること” がもつ意味を探求し、ひとりでいることによる不安や精神的なストレスを和らげようとする。このデバイスが愛する人の鼓動を反映し、精神的なサポートや人と人とのつながりを促す。
作品名:InTempo
受賞者名:アリーナ・ホロヴァチュク
人前や公の場での精神的な不安感(パニック障害、社交不安障害など)に苦しむ人を支援するためのスマートフォンカバーとアプリ。音楽のリズムに合わせて、カバーの特定の部分に触れることで、今置かれている状況から意識をそらし、気持ちを落ち着かせることができる。
作品名:KnitX
受賞者名:イルマンディ・ウィチャクソノ
日常生活で用いる繊維に、ジェスチャーや音、触覚に反応する機能を組み込むことで、触覚やジェスチャーに反応して音楽を奏でることができる布や、ダンスと音楽が共鳴するインタラクティブなカーペットなどを制作。
作品名:Terracotta Valley Wind
受賞者名:Intsui Design(シンガイ・カク、ホカ・セイ、イチライ・ロ、ウ・チョウ)
テラコッタ素材による気化熱を利用して夏場の地下鉄駅構内を冷却させるシステムで、エネルギー消費の削減に貢献。安価で入手しやすく、水分を素早く蒸発させるテラコッタの特質と、列車がホームに入ってくる際に発生する風力という、これまで利用されていない資源に着目した。
LEXUS DESIGN AWARDについて
LEXUSが重視する3つの基本原則「Anticipate (予見する)」「Innovate (革新をもたらす)」「Captivate (魅了する)」をいかに具現化しているかを評価基準とし、社会や個人のニーズを「予見」し、「革新的」なソリューションで、人々の心を「魅了」する作品がグランプリとして選出されている。