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情報や表現の乗り物としての印刷物 / エフェメラについて考える

慶應義塾ミュージアム・コモンズ展覧会「エフェメラ:印刷物と表現」が2024年3月18日から5月10日(金)まで開催される。多岐に渡る「エフェメラ」と呼ばれるアイテムの中から、ポスターやパンフレットなど展覧会やアート・イベントに合わせてつくられ、社会に広がるメディアとしての機能をもった印刷物エフェメラに焦点を当て、大学研究所のアーカイヴや図書館に所管された資料から戦後美術において情報の伝達と実験的な表現の重なりが見られるアイテムが展示される。また、印刷物 / エフェメラに関心を寄せる現代作家による二人展(河口龍夫・冨井大裕)も同時に開催する。

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南画廊カタログ(南画廊発行、1956–1979年刊行)、慶應義塾大学アート・センターおよびJapan Cultural Research Institute所蔵
撮影|村松桂(カロワークス)

美術作品や書籍のように長期的な保存を本来の目的とせず、時限的な情報掲載や使用が主な目的であるチラシやパンフレットなどのアイテムは限られた期間で消えゆくものとして「ephemera = 1⽇だけの、短命な」の⾔葉が与えられ「エフェメラ」と呼ばれる。安価につくられ配布された印刷物のエフェメラ(printed ephemera)は時代ごとの出来事や空気を伝える重要なアイテムであり、近年、ミュージアム をはじめとする文化機関において蒐集の対象となっている。

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SAC / SAC Journal(草月アートセンター発行、1960–1964年刊行)、慶應義塾大学アート・センター所管
撮影|村松桂(カロワークス

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Art & Project bulletin(art & project発行、1968–1989年刊行)、個人蔵ほか
撮影|村松桂(カロワークス)

慶應義塾ミュージアム・コモンズでは、エフェメラの中でも特に無料もしくは安価に刷られることで社会に広がるメディアとしての機能をもった印刷物エフェメラに焦点を当てる。コンセプチュアル・アートやイベント、映像表現といった新しい表現が現れ展開していった戦後美術の中で、作品や展覧会の情報の伝達と紐づきながら、同時にアーティストの表現の場となったパンフレットやカタログ、アート雑誌などの印刷物エフェメラでは限られた紙面のなかでさまざまな実験が試みられている。本展覧会ではそうした紙面上の実験を紹介しながら、結果的に過去の出来事を伝え残す存在となったエフェメラに目を向けて、情報や表現の乗り物としての印刷物 / エフェメラについて考える。

展覧会「エフェメラ:印刷物と表現」開催概要

会期2024年3月18日から5月10日(金)まで
会場慶應義塾ミュージアム・コモンズ展示室(三田キャンパス東別館)
時間11:00 ~ 18:00
入場無料、事前予約不要
URLhttp://tinyurl.com/ycvjydwp