「手仕事が繋ぐ、ジブリと工芸」第一弾「となりのトトロ」手彫りのトトロ、どんぐり豆皿などを発売
中川政七商店は、スタジオジブリとの初のコラボレーション商品全25種を2023年3月1日(水)より、中川政七商店オンラインショップおよび全国の直営店にて発売する。またコラボレーション商品全種やものづくりの背景を紹介する店頭企画「ジブリと、工芸」を、2023年3月1日(水)から中川政七商店 渋谷店で開催する。
コラボレーションの出発地は、両者に共通する「手仕事への愛」であった。スタジオジブリのアニメーターという職人集団が一本の鉛筆の線から生み出す映像には、手仕事のぬくもりや強い生命力があふれている。また、“日本の工芸を元気にする!”をビジョンに掲げ、人の手から生まれるものづくりを大切にする中川政七商店。この価値を次の世代へ伝え、残していくために日本の工芸を作る中川政七商店とスタジオジブリが手を取った。
第一弾はとなりのトトロ 蒐集道具や探険の相棒が誕生
2023年のコラボレーションは、宮﨑駿監督作品として1988年に公開されたアニメーション映画『となりのトトロ』。物語の舞台である「トトロの森」を感じたり、自然とのふれあいが楽しめる暮らしの道具を全国の工芸産地の職人と作った。トトロの棲むくすの木であつらえた「手彫り人形」や、宝物たちを集めて飾れる蒐集道具「どんぐり皿」「一輪挿し」、トトロが子どもたちの冒険を見守っているような「注染Tシャツ」「お守り鈴」など全25種が誕生。大人達は子ども時代を思い出し愛おしさを募らせ、子ども達は探険や木登りをしてみたくなる。そんな道具を目指した。大人も子どもも、トトロの世界へと近づけてくれるコラボレーションとなっている。
トトロの棲む森にふれる
一刀一刀、丁寧に彫り出され、子どもたちをそっと見守るようなやさしいまなざしが印象的な井波彫刻のトトロ。富山県南砺市井波地区に伝わる井波彫刻は、江戸時代から神社仏閣の装飾や日本家屋の欄間などの彫刻を手掛けてきた歴史ある伝統工芸。荒彫りから仕上げ彫りまで200本以上のノミや彫刻刀を駆使することもあり、その高度な技術は日本の木彫刻文化を支えている。この伝統を受け継ぐ木彫と漆の工房「トモル工房」の主宰・田中孝明と、トトロが棲む「くすの木」で木彫り人形を作った。くすの木は大きく立派に育つことで知られ、古くから御神木として大切にされてきた。一本の木から一人の職人の手によって命が吹き込まれるトトロ。節句人形のように、子どもや家族の健やかな成長を願って飾ることができる。
「一本の木」から生まれるトトロ
誰もが一度は触れたいと願う、あのふかふかな毛、大きなおなか、繊細なヒゲ。トトロのぬくもりを、トトロの棲む木で表現するために、50種類以上のノミを使い分け「くすの木のトトロ」は生まれた。あえてノミ跡を残し再現したふかふかな毛並み、今にも動き出しそうなどっしりした体、ふわりと頭にのる葉っぱ、すべて一本の木から作られている。左右に6本生えたヒゲは、弾力性に富む椿の木を細く削ることで、躍動感を出している。360度どこから見てもトトロらしくあるように、精を尽くした。
あの森を感じる「香り」
虫よけの木としても知られるくすの木。木材や葉から防虫効果のある樟脳(しょうのう)の成分が取れ、昔から建築や家具類に利用されてきた。「くすの木のトトロ」から漂う爽快感ある香りは、まるでトトロの棲む森に迷い込んだよう。元気の出ないときはそっと励ましてくれ、疲れたときは癒しを、そして勇気が欲しいときには気持ちを高揚させてくれる、そんな自然本来のもつ香りも楽しめる。
トトロとみつける、蒐集道具
自然の中でみつける、どんぐりや草花、小石。そんなあれこれを、宝物のように集めて飾れる道具。わずか5cmほどの愛らしいサイズの一輪挿しや、3つの焼き物産地の違いが楽しめるどんぐり皿、何を入れようかと空想が膨らむ宝箱…「おとうさん、お花やさんね!」そんなセリフが聞こえてきそうな、蒐集道具に仕上げられている。
富山県八尾(やつお)町で八尾型染め和紙を作る桂樹舎と作った型染宝箱。トトロやマックロクロスケが一つひとつ刷毛で塗り描かれている。
佐賀県の工芸品・肥前吉田焼で作った、手のひらサイズの一輪挿し。トトロたちと遊ぶような気持ちで花を一輪生ければ、日常の何気ない風景に彩りをもたらしてくれる。
焼き物の手ざわりを楽しめる「どんぐり皿」を3つの産地で作成。豆皿より少し大きめの絶妙なサイズ感で、食卓はもちろん、インテリアでも活躍する。
トトロとでかける、探険の相棒
すてきな冒険へと飛び出した日。そんな好奇心をトトロたちが見守っているような道具。走るたびにカラコロと鳴るお守り鈴や、勢いのままに着られる裏表がないTシャツ、元気いっぱいの汗を拭ってくれるてぬぐいハンカチ。探険の相棒とともにトトロとのお出かけを楽める。
室町時代から続く小田原鋳物の伝統を受け継ぐ「柏木美術鋳物研究所」と作った、トトロのお守り鈴。リーンと高く澄んだ中に混ざる、カラコロとやさしい音。余韻のある音色が、ちいさな安らぎをもたらしてくれる。
日本の伝統技術「注染」の裏表なく美しく染まるという特徴を活かしたTシャツ。裏表がないため裏返しで脱いでもそのまま着ることができ、前後もないので小さな子供でも間違えることなく着用できる。
「となりのトトロ」のオープニングとエンディングをモチーフにしたてぬぐいハンカチ。伝統技法「注染」を生かし、奈良の注染工房と作成。
映画のワンシーンから抜け出したような「となりのトトロ」のキャラクターたちのかや織ふきん。水彩画をイメージした手跡が残るイラストは、ふきんのために新たに描きおこしている。
中川政七商店(なかがわまさしちしょうてん)
1716年に麻織物で創業した奈良の老舗。「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、日本の工芸をベースとした生活雑貨の製造小売業を展開する他、合同展示会・業界特化型の経営コンサルティング事業も実施。2021年4月にはまちづくりの拠点である複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」を創業地に開業。奈良という地からビジョン実現に向け取り組んでいる。