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大山エンリコイサム初の版画作品展「Print Works」

セゾンアートショップは、大山エンリコイサム初の版画作品展「Print Works」を2021年9月22日(水)から12月5日(日)まで開催する。本展では作家が制作した3点の原画をもとに、それぞれの印刷技師がシルクスクリーン(孔版印刷)とメゾチント(銅版印刷)で刷り上げた6種の版画作品が展示される。別の時代と社会背景から生まれたふたつの印刷技法が、大山作品の代名詞「クイックターン・ストラクチャー」の造形にもたらす変化が楽しめる。

Enrico Isamu Oyama, print_works

19世紀に西洋との出会いの"場"となって以来、横浜の地では、未知なるモノとの新しい「出会い」が生まれてきた。これまでに見たことのないモノや新しい価値観を喜んで受け入れる、その懐の深さは、多様性を受け入れる国際文化都市・横浜の形成に寄与している。セゾンアートショップは、横浜、みなとみらいの発祥の地に位置し、1991年の開業以来、多くの人や文化との出会いを演出してきた ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルにおいて、現代アートとの新しい出逢いの"場"の創出を目指す。

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大山エンリコイサム

以前より版画というメディアに関心がありました。これまでの制作でも、「ファウンドオブジェクト」のシリーズでは古い版画やイメージに重ねてクイックターン・ストラクチャー を描画したり、シャープペンシルを尖らせてかくドローイングでは、紙の表面を引っ掻く感覚がニードルで板を削る版画の制作プロセスに通じると考えていました。また自分がイタリアの血を引くこともあり、ルネサンス期に普及した銅版画の歴史的背景にも関心がありました。同時に、ストリートアートの世界ではシルクスクリーンの作品が一般的に流通しており、その意味でも身近なものがありました。今回、機会とご縁に恵まれ、KA FACTORYの北田治さんを通して、岡部版画工房の牧嶋成仁さん、銅版画作家の佐竹広弥さんと出逢い、このプロジェクトが実現しました。私にとって版画技師の方々と協働する初めての機会であり、ご自身の分野と技術に精通された牧嶋さん、佐竹さんのお二人と密に連絡を取って進めることで、新しいマチエールを得ることができたと考えています。

大山エンリコイサム

Enrico Isamu Oyama 大山エンリコイサム

美術家。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモチーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開し、現代美術の領域で注目される。2007年慶応義塾大学情報学部卒業、2009年東京藝術大学大学院美術圏研究科先端芸術表現専攻修了。2011-12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。2020年には東京にもスタジオを開設し、二都市で平行して制作を行なっている。