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川端康成と大江健三郎の文化論をキュレーションの起点に

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」がkudan houseで2024年2月22日(木)から3月3日(日)まで開催される。本展は展覧会とアートフェアの二部構成からなる「CURATION⇄FAIR Tokyo」における展覧会。「CURATION⇄FAIR Tokyo」では展覧会で作品や作家の理解を深め、後日開催されるアートフェアで作品を購入することができる仕組みの新しいアートイベントである。

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本展では川端康成と大江健三郎の文化論をキュレーションの起点とし、古美術から現代美術まで時代やジャンルを超えた作品が集結。人間中心的な視点ではなく「もの」の質と美に焦点を当てた展覧会となっている。展覧会キュレーターは遠藤水城。

出展作品・作家

李朝白磁壷 / 信楽壷 / 青木野枝 / 合田佐和子 / 橋本聡 / 伊藤慶二 / 川端実 / 川端康成 / 香月泰男 / 熊谷守一 / 小川待子 / 大西伸明 / カズ・オオシロ / パブロ・ピカソ / シャプール・プーヤン / 山口長男 ほか

アートフェア「Art Kudan」参加ギャラリー

NOMALY / ギャラリー広田美術 / タカ・イシイギャラリー / 小山登美夫ギャラリー / MA2Gallery / MAKI Gallery / MISAKO & ROSEN / 銀座 古美術宮下 / 中長小西 / Satoko Oe Contemporary / 大塚美術 / しぶや黒田陶苑 / 瞬生画廊 / 東京画廊+BTAP / 浦上蒼穹堂

見どころ

1927年に建てられた旧邸宅が展覧会の舞台に

会場となるkudan house(九段ハウス)は1927年に実業家・山口萬吉の邸宅として竣工し、現在は国の登録有形文化財に登録されている。米国帰りの萬吉の邸宅は当時としては先進的な鉄筋コンクリート造であり、またその意匠にも西欧の近代的な建築様式を見ることができる。昭和最初期に竣工したこの建物は戦火を生き延び、人々の交流や発表の場として活用されてきた。CURATION⇄FAIR Tokyoでは、地上3階、地下1階の計4フロアが第一部では展覧会、第二部ではフェアの舞台となる。およそ100年のときを見つめてみた建物の重厚感、細部まで工夫された意匠、家具などを垣間見ることができる。

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kudan house 外観写真

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kudan house 内観写真1

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kudan house 内観写真2

古美術から近代美術、現代美術まで、幅広いジャンルの作品が集結

ボイラー室などがある地下空間では、アーティストの橋本聡が手がける新作とシベリア抑留を生き抜いた香月泰男の絵画が共存し、1Fから3Fの居住空間では李朝の白磁壷や川端康成の書、主に鉄を用いた立体作品を多くの芸術祭や個展で発表してきた青木野枝、複製技術の手法を用いて固有の存在についてアプローチする大西伸明、陶土で繊細な作品を作る小川待子の近作、西洋と東洋、相対的でありながらお互いに光と影になる政治的な緊張関係をコンセプチュアルに表現するイラン出身のシャプール・プーヤンの彫刻作品などが展示される。歴史ある会場で、古美術、近代美術から現代美術まで、各作品の情報や文脈に依存するのではなく、それぞれの作品が「もの」として等価に扱われ、展示される場となる。

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《李朝白磁壷》李氏朝鮮時代 18世紀 [Photo by 野村知也]

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香月泰男《机の上》1956

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大西伸明《Glass》2018

キュレーター、アーティスト、振付師の異なる職能が交わり、作品を引き立てる展示空間

本展では、キュレーターの遠藤水城だけでなく、アーティストの五月女哲平、振付師・ダンサーの神村恵と福留麻里など、展示構成を複数の芸術領域の専門家が手がけている。今を生きる彼ら/彼女らの態度には2000年以降、国内や国際社会で起きた出来事や権威構造への洞察が内在化されており、イデオロギーや社会構造から自由になれない現代において言語化に依拠するのではなく、様々な年代やジャンルの作品との「時と場合に依る」出会うきっかけを生み出してくれる。

遠藤水城(キュレーター)

1975年札幌生まれ。キュレーター。2004年、九州大学比較社会文化研究学府博士後期課程満期退学。art space tetra (2004年・福岡)、Future Prospects Art Space (2005年・マニラ)、遊戯室 (2007年・水戸)などのアートスペースの設立に携わる。 2005年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」を受賞。2007年、Asian Cultural Councilフェローとして米国に滞在。2017年、ヴェトナムはハノイに新しく設立されたVincom Center for Contemporary Artの芸術監督に就任。国際美術評論家連盟会員。京都造形芸術大学客員教授。

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」開催概要

会期2024年2月22日(木)〜 3月3日(日)
時間平日:10:00~21:30 / 土日祝:10:00~21:00 / 3月3日(日)は10:00~18:00
会場kudan house
チケット公式サイトにて購入
URLhttps://curation-fair.com/exhibition

アートフェア:Art Kudan 開催概要

会期2024年3月9日(土)〜3月11日(月)
時間11:00~19:00
会場kudan house
チケットhttps://ticket.curation-fair.com/
URLhttps://curation-fair.com/