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ソール・スタインバーグの日本初の大々的な個展の巡回展

ソール・スタインバーグ「シニカルな現実世界の変換の試み」が2023年10月15日(日)まで京都dddギャラリーで開催されている。本展は2021年12月10日(金)から03月12日(土)に開催された、ギンザ・グラフィック・ギャラリー第386回企画展「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」の巡回展。ソール・スタインバーグ財団より寄贈されたポスター、リトグラフ、エッチングなどの貴重な作品をはじめ、ドローイングを中心とした代表作の複製作品などを含む、合計約170点の作品を一堂に展示している。

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アメリカでもっとも愛された芸術家の一人、ソール・スタインバーグ(1914—1999)の逝去から24年。スタインバーグの名前は日本でも馴染みがあるが、今もっとも再発見、再評価を必要としている芸術家である。

スタインバーグは、ドローイングを「紙上で推論する方法」と捉え、神話化されたアメリカの理想像と現実とのギャップや、不気味で滑稽な不条理、たとえば、古いものと新しいもの、優雅と狂暴といったものの混在とその見えない裂け目(クレバス)を、ユーモアと風刺を備えた、軽妙でしかも鋭利な線(line)で描き、彼は「見えない線」「見えないもの」「見えない言葉」「見えない構造」を視覚化し、意味の変換、概念の変換に生涯挑戦し続けてきた。

自分自身の肩書の曖昧さを積極的に受け入れていたようで、世間からも「描く文筆家」「言葉と音の建築家」「境界線上の芸術家」「新しい思想の起案者」など様々に評され、常に未知の視覚的領域を超えて、子供の絵や大人の落書きから、クラシック、バロック、マニエリスム、表現主義、キュビスム、構成主義まで、あらゆるスタイル、あらゆる表現方法を試みている。

「私は読者に共犯を呼びかけている」と、スタインバーグは見る側を、現実の理不尽さに目を向けるために当事者になることを煽る。スタインバーグが生み出した造形は、このような思索と思想を武器に、イタリアの風刺新聞『ベルトルド』やアメリカを代表する雑誌『The New Yorker』誌をはじめ、数々の新聞や雑誌の紙面を美術館の壁にあるピカソの絵と同じくらい明確に、芸術の場に変えた。

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ソール・スタインバーグ  / Saul Steinberg

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1914年ルーマニアのブカレスト近郊、ルムニク・サラト生まれ。ブカレスト大学で哲学と文学を学んだ後、イタリアのミラノ王立工科大学(現ミラノ工科大学)で建築を専攻し、1940年卒業。ミラノでは、風刺新聞『ベルトルド』に積極的に関与したが、1941年、ファシスト政権下の反ユダヤ的なイタリアを逃れアメリカに渡る。戦時中は海軍に入隊、戦後はニューヨークに居を構え、『The New Yorker』誌の仕事に携わるようになり、その後、50年以上にわたり同誌の表紙を89点、中面のドローイングを1200点以上手がけた。知的で洗練されたスタイルで、漫画(cartoon)の世界に革命を起こし、美術の領域(ドローイング、絵画、版画、コラージュ、彫刻等)にグラフィックを取り入れた第一人者。1946年、ニューヨーク近代美術館「14人のアメリカ人展」に選出、1952年、ニューヨークのパーソンズ=ジャニス画廊と、続いて翌年、パリのマーグ画廊にて初の個展を開催。1978年、ホイットニー美術館で回顧展、2006年を皮切りに大々的な巡回展「Steinberg: Illuminations」を開催した。作品集に『ALL IN LINE』、『The Art of Living』、『The Passport』、『The Labyrinth』、『The New World』、『The Inspector』他多数。日本でも藤子不二雄や柳原良平、和田誠等、多くの漫画家やイラストレーターに影響を与えた。

オンラインで楽しむソール・スタインバーグの世界

本展覧会で展示している作品を、テーマ・関係性など立体的な視点から見ることができる特別サイトが設置されている。多彩な活動の全貌を壮観するとともに、スタインバーグのユニークなアプローチにテーマごと迫る内容となっている。会期中のみ閲覧可能。

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ソール・スタインバーグ「シニカルな現実世界の変換の試み」開催概要

会期2023年8月9日(水)~10月15日(日)
時間11:00 - 19:00 土日祝は18:00まで
休館日月曜日(祝日・振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日(土日にあたる場合は開館)
会場京都dddギャラリー
URLhttps://onl.tw/Vzn9CTC

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