創刊120年の企業PR誌『學鐙』が全面リニューアルして6月5日に発刊
日本最古の企業PR誌『學鐙』は、このたび発行元が丸善出版から丸善雄松堂に引き継がれた。発行元の変更にともない、誌面を全面的にリニューアルし、2023年6月5日より一部書店で販売する。親しみやすいデザインで、新たなコンセプトのもと、毎号魅力的な特集や企画を届けていく。また、本号から総合書店「honto」で電子版も販売する。
リニューアルのポイント
表紙と誌面のデザインを刷新
表紙と誌面はMIKAN-DESIGNの美柑和俊にデザインを依頼。表紙には「學鐙」の文字を大きく配置するなど、従来のイメージを刷新した大胆な構成となっている。今後も毎号デザインをアレンジしていく予定だ。また誌面は、著者近影や略歴、書影を掲載するなど、読者に親しみをもって手に取ってもらえるようにデザインを一新した。
毎号魅力的な特集テーマ、企画を発信
リニューアルにあたってのコンセプトは、「未知に光をあて、先の見えない時代を照らす、小さな知の灯火となることを目指す」とし、毎号ここから導き出した特集テーマを設定し、各界で活躍する面々に寄稿を依頼。また、今号から巻頭に新作の現代詩歌を寄稿してもらうなど、新しい企画を取り入れていく。
電子版での販売も開始
これまで印刷物のみであった『學鐙』を、丸善雄松堂の親会社である大日本印刷が運営するハイブリッド型総合書店「honto」にて電子版を販売する。
2023年夏号(Vol.120 No.2)掲載内容
特集 「いま私たちが学ぶべきこと」
- 学ぶということ|養老 孟司 (東京大学名誉教授)
- いま私たちが学ぶべきこと|内田 樹 (神戸女学院大学名誉教授・凱風館館長)
- 「経」を棄てるか|山口 謠司 (大東文化大学文学部教授)
- 現代版「和魂洋才」のすすめ|尾島 巌 (ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校卓越教授)
- 人の創造性とテクノロジー|礒津 政明 (ソニー・グローバルエデュケーション会長)
- 歌うピアノをめざして|青柳 いづみこ (ピアニスト・文筆家)
連載企画
知の生まれる場所
リレー連載で、書店、図書館、研究室、書斎など、新たな知や活動が生まれる現場を訪ね、場づくりの知恵や、知的活動の技法を紹介。
- 山村における「人文知の拠点」:青木 真兵 (「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター)
科学と生きる
日々の出来事や暮らしに関連する身近な科学や、私たちの生き方、暮らし方、世界の見方を変える科学のトピックなどを紹介。
- ブルーな気持ちって、ナニモノ?:五十嵐 杏南 (サイエンスライター)
書物とともに
毎号連載で、和洋の古書稀覯書、書物史、出版文化にまつわるエピソード、専門家による回想など、私たちと「書物」との関わりについて寄稿してもらう。
- 回想のビブリオフィル デイヴィッド・J・ホール:髙宮 利行 (慶應義塾大学名誉教授)
書評企画
文芸季評
季節ごとに新しい文芸作品を紹介/論評する。
- 子供のまなざしから地球を考える——『惑う星』:渡辺 祐真 (文筆家・書評家)
- 子宮の戦争と女の人生——盛可以『子宮』を読む:水上 文 (文筆家・文芸批評家)
これから読む本
既に読んだ本ではなく「これから読む本」について紹介。
- 呪術と学術の東アジア——陰陽道研究の継承と展望:二村 淳子 (比較文化研究者・芸術学者)
横断書評
特集テーマからの連想による分野横断的な本について紹介。
- サイボーグになる——テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて:橋本 輝幸(SF研究家)
學鐙について
企業PR誌『學鐙』は、明治30年(1897)3月に創刊し、現在まで続く日本最古のPR誌。初代編集長は作家・文芸評論家として活躍していた内田魯庵で、執筆者には坪内逍遙、夏目漱石、井上哲次郎らが名を連ねた。創刊時から続く「広く日本の文化に寄与し、世界の文化受容の窓口となる」という一貫した編集姿勢は変えず、今後より複雑化していく未来に向けて、「未知に光をあて、先の見えない時代を照らす小さな知の灯火(鐙)となることを目指す。
『學鐙』2023年夏号(Vol.120 No.2)概要
発売日 | 2023年6月5日・季刊(3、6、9、12月発行) |
仕様 | A5サイズ/64頁 |
価格 | 250円(税込) ※冊子版、電子版とも |
雑誌コード | 02447 |