人体と機械の美を追求した作品
NANZUKAは空山基の新作個展「Space Traveler」を2023年4月27日(木) から5月28日(日)まで開催。本展は渋谷神宮前NANZUKA UNDERGROUND、NANZUKA 2G(渋谷パルコ2F)及び中目黒3110NZ by LDH kitchenの3会場において同時開催の展覧会となる。
NANZUKA UNDERGROUND
- 2023年4月27日(木) から5月28日(日)まで(月曜日、火曜日休業)
- 11:00 ~ 19:00
NANZUKA 2G
- 2023年4月27日(木)から未定 (PARCOの営業日に準ずる)
3110NZ by LDH kitchen
- 2023年4月26日(水)から5月27日(土)まで(日曜、月曜、火曜、祝日休業)
- 水曜 ~ 木曜:11:00 ~ 16:00 / 金曜 ~ 土曜:11:00 ~ 17:00
空山基は人体と機械の美を追求した作品で、国内外で伝説的な存在となっているアーティスト。その名を世に知らしめた作品「セクシーロボット」シリーズ(1978年~)では、女性の人体美をロボットに取り込んだ表現で、その後のロボットのイメージ形成に大きな影響を与えた。身体の美しさへの傾倒や人間の本質的な知的好奇心、欲望=生へのエネルギーといった自身の関心を決して隠さず、同様に政治的、宗教的タブーにもその作品表現において、果敢にチャレンジする。黙る事より語る事で問題は解決されるべきだと確信しており、そのために時に子供のようにイノセントであろうとする。結果的に空山はアーティストという呼称を否定し、ラディカルな表現者という意味も強調して、エンターテイナーと名乗る。
2020年に開催したNANZUKAでの個展「Sex Matter」において、空山はアートにおける性の問題をロボットを通して表現するという作品にチャレンジ。一見すると奇妙な図式ではあるが、空山は世の中に男と女(オスとメス)がいる事によって知的な生命が誕生するという事実を、逆説的に強く明示した。一方、本展「Space Traveler」は、人間の身体性を超えた未来という、仮想の物語を提示。作品を通して、人のようで人ではない存在、人の時代以後の世界を空想する。その作品は人の知性とはなにか、身体とはなにか、時間とはなにか、といったテーマが相互に絡みあい、自然と私達の空想力や創造性を刺激する。
本展ではメイン会場となるNANZUKA UNDERGROUNDにおいて、新作のヒューマンスケールサイズのロボット彫刻作品による大規模なインスタレーション、また空山として初となるCGテクノロジーを駆使した映像作品、そして近年空山が精力的に取り込んでいる大型のキャンバス絵画作品を展示。また、NANZUKA 2Gと3110NZ by LDH kitchenにおいても、同シリーズの彫刻作品及びペインティング作品が発表される。
空山基 / Hajime Sorayama
1947年、愛媛県生まれ。現在は東京在住。1983年「Sexy Robot」出版。1999年に、ソニーが開発したエンターテイメントロボット「AIBO」のコンセプトデザイン、2001年には、世界的ロックバンド、エアロスミスの「Just Push Play」(2001)のアルバムカバーを手掛け、近年もキム・ジョーンズと手がけたDior Menとのコラボレーションで大きな話題となる。近年、空山の作品は、「Unorthodox」(The Jewish Museum, New York, 2015)、「Desire」(by Larry Gagosian and Jeffrey Deitch, Moore building, Miami, 2016)、「The Universe and Art」(森美術館, 東京, 2016、Art Science Museum, Singapore, 2017)、「Cool Japan」(Tropenmuseum, Amsterdam, 2018)、「Tokyo Pop Underground」(Jeffery Deitch, NY/LA, 2019-2020) 、「Sorayama x Giger」(UCCA Labo、Beijing 2022−2023)、また本年の夏には、アメリカのマイアミに新たなにオープンするMuseum of Sexにおける大規模な個展も控えている。