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電話ボックスやガソリンスタンドなど 消えゆく空間資源の新たな可能性を探る社会実装型プロジェクト

ロフトワークと建築コレクティブ「RED SPACE」は、絶滅危惧空間をテーマとした公募「RED SPACE MUTATIONS #01」を2026年5月11日より開始した。電話ボックス、ガソリンスタンド、地方鉄道、商店街など、社会構造の変化とともに役割を失いつつある空間資源を対象に、新たな使い方や制度、事業モデルを募集する。本公募は、ロフトワークが運営する共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」を通じて公開される。adf-web-magazine-red-space-mutations-1

「RED SPACE」は、ロフトワークのLAYOUTディレクターである竹中遼成と平栗圭が立ち上げた自主プロジェクト。20世紀に大量生産されたインフラ空間を「絶滅危惧空間」と捉え、収集・分析・評価を行ってきた。今回の公募では、こうした空間を単に保存する対象としてではなく、次代に適応する社会資源として再編集する提案を求める。募集対象は建築デザインに限定されない。ビジネスモデル、テクノロジー、制度設計、都市計画、アート、リサーチなど、形式を問わず応募が可能。空間そのものだけでなく、所有や運営、収益構造、体験設計まで含めた包括的な提案を歓迎している。生成AIや画像生成AI、3Dツールなどを活用した応募も推奨されており、専門家に限らず、生活者としての視点や地域での経験、偏愛や妄想から生まれるアイデアも重視する。

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通信インフラであった電話ボックスは、携帯電話の普及などを背景に約14%まで減少

例えば電話ボックスは、通信インフラとしての役割を終えつつある一方、全国に分布する小規模空間のネットワークとして再定義できる可能性を持つ。通信、避難、ケア、地域サービスなど、新たな機能を担う次世代インフラとしての転用も構想されている。ガソリンスタンドや地方鉄道なども同様に、社会変化に応じた“変異”の対象として位置付けられる。

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自動車社会を支えてきたガソリンスタンドは、電気自動車の普及や後継者不足などを背景に約46%まで減少

本プロジェクトは、一過性のアワードではなく、社会実装へ向けたコミュニティ形成を目的としている点も特徴だ。応募者は、公募終了後に立ち上がる「RED SPACE COLLECTIVE」へ招待予定。提案者、自治体、研究者、事業者、地域住民などが継続的に議論を行い、プロトタイプ制作や実証実験、共同研究へ接続していく。上位提案については、展示機会やワークショップ、レビューセッションなど次段階の支援も予定されている。adf-web-magazine-red-space-mutations-4

また、「RED SPACE」は『WIRED』日本版主催の「CREATIVE HACK AWARD 2025」において、特別賞およびファイナリストクラブ賞を受賞。消えゆく都市空間を“種”として捉え、未来社会へ向けて変異させる視点が評価された。6月1日にはオンライン説明会も開催予定。電話ボックスやガソリンスタンド、商店街などを題材に、空間の再編集に関する具体的な視点や提案のヒントが共有される。

「RED SPACE MUTATIONS #01」募集概要

  • 募集テーマ:絶滅の危機に瀕する空間に、変異をうながせ。
  • 募集期間:2026年5月11日から7月26日まで
  • 開催形式:AWRD上で実施
  • 対象:建築・都市計画・事業開発・テクノロジー・法律・行政・アート・リサーチ・地域活動など領域不問
  • 応募資格:年齢・国籍・専門分野不問 個人・グループ応募可
オンライン説明会
  • 日時:2026年6月1日 19:00〜20:00
  • 会場:Zoom
  • 申込:Peatixより受付
審査員
  • 馬場正尊:オープン・エー代表取締役/建築家/東北芸術工科大学教授
  • 松島倫明:『WIRED』日本版 編集長
  • 林千晶:Q0 代表取締役社長
  • 石川由佳子:アーバニスト/エクスペリエンス・デザイナー
  • 松井創:ロフトワーク Chief LAYOUT Officer

AWRDを通じて、問いを社会にひらく

本公募はロフトワークが運営する公募・共創プラットフォーム「AWRD」で実施される。AWRDは企業・自治体・クリエイター・研究者・生活者など、多様なプレイヤーが共通のテーマに参加するためのプラットフォーム。一般的なコンペティションのように応募者を競わせ、完成度の高い作品を選ぶだけでなく、テーマへの理解や共感を広げ、研究・事業・共創の新しい基盤をつくることを重視している。ロフトワークはこれまで、AWRDを通じて多様なテーマの公募やアワードを実施。集まった提案を単なる作品群として扱うのではなく、社会課題や未来の兆しを読み解くための集合知として捉え、企業や自治体、クリエイターとの次の共創につなげてきた。RED SPACE MUTATIONSもまた、AWRDを活用することで、建築・都市領域の内側に閉じない多様な参加を促し、絶滅危惧空間をめぐる問いを社会にひらいていく。adf-web-magazine-red-space-mutations-7

ロフトワークadf-web-magazine-red-space-mutations-8

ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニー。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築する。