「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」展
公益財団法⼈⽯橋財団アーティゾン美術館は、2020年6⽉23⽇(⽕)より2020年10⽉25⽇(⽇)まで、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の⽇本館展⽰「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」(2019年開催)の帰国展を開催している。
ヴェネチア・ビエンナーレは、イタリアのヴェネチアの各所を会場とし、2年に一度開催される現代美術の国際展。1895年から120年以上の歴史を重ね、今なお大きな影響力を持っている。ヴェネチア・ビエンナーレの日本館は、石橋財団の創設者である石橋正二郎が建設寄贈、1956年に開館した。そのような歴史的つながりから、アーティゾン美術館で帰国展を開催することとなった。2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」(国際交流基金主催)は、キュレーターの服部浩之を中心に、美術家、作曲家、人類学者、建築家という4つの異なる専門分野のアーティストが協働し、人間同士や人間と非人間の「共存」「共生」をテーマに構成された。本展は、ヴェネチアでの展示をもとに、アーティゾン美術館の展示室にあわせて再構成するものとなる。映像・音楽・言葉・空間の4つの要素が共存するインスタレーションに、ドキュメントやアーカイブなどの新たな要素を加えて紹介する。
キュレーター服部浩之によるステートメント
本展は、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館展示室を再現したインスタレーション空間を中心とし、それに注釈を与えるように分析を加え、制作過程で生じた様々な要素を紹介することで、プロジェクト「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」を改めて検証するかたちをとります。
日本館の建築空間と密接に呼応する本作のエッセンスを追体験していただけるようなあり方で、「帰国展」という構造にも応答する方法として、演劇の舞台のように日本館を再現することで、身体的経験と客観的考察を往来可能な形式を目指しました。プロジェクトを構成する各種素材、ビエンナーレで副産物的に生まれたもの、ビエンナーレ開幕前から帰国展までのプロセスの記録など、各種資料なども交えて、一歩外側から「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」を捉えるドキュメントやアーカイブとしての側面も備えた展覧会となります。
キュレーター、アーティストプロフィール
キュレーター
服部浩之(はっとり ひろゆき)
1978年生まれ。秋田公立美術大学大学院准教授。アジアを中心に展覧会、プロジェクトなどを展開。「あいちトリエンナーレ2016」「近くへの遠回り」(キューバ、2018)など多数企画。
アーティスト
下道基行(したみち もとゆき)
1978年生まれ。美術家。代表作に、日本の植民地時代に残された世界各地の鳥居を撮影したシリーズ《torii》や、大津波により海底から陸上に運ばれた巨石を取材し撮影したシリーズ《Tsunami Boulder》がある。
安野太郎(やすの たろう)
1979年生まれ。作曲家。作曲とメディアアートを学び、アーティストとのコラボレーションも多数実施。代表作《ゾンビ音楽》は、複数のリコーダーに空気を送り込み、自動演奏によって奏でる音楽作品。
石倉敏明(いしくら としあき)
1974年生まれ。人類学者。秋田公立美術大学美術学部准教授。神話や宗教を専門とし、アーティストとの協働制作を行うなど、人類学と現代芸術を結ぶ独自の活動を展開している。
能作文徳(のうさく ふみのり)
1982年生まれ。建築家。建築設計だけでなく、アート作品、空間インスタレーションも手掛ける。2016年第15 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展では日本館展示に出品し、特別表彰受賞。
展示概要
会期 | 2020年06月23日(火)〜2020年10月25日(日) |
会場 | アーティゾン美術館 |
住所 | 東京都中央区京橋1-7-2 Google Map |
展示室 | アーティゾン美術館 5階展示室 |
時間 | 10:00〜18:00 ※毎週金曜日は20:00まで/当⾯の間、中⽌(入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(8⽉10⽇、9⽉21⽇は開館)、8⽉11⽇、9⽉23⽇ |
観覧料 | 日時指定予約制(6⽉3⽇[⽔]よりウェブ予約開始) 一般ウェブ予約チケット 1,100 円 当日チケット(窓口販売)1,500 円 |