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木の本質を引き出す千年家具のコントラクト展開

富士山麓、河口湖のほとりに完成した隈研吾建築に、千年家具が一枚板の家具を納品した。このプロジェクトは、千年家具が長年培ってきた「木の哲学」を建築空間に展開する取り組みの象徴とも言える。木はただの素材ではない。触れた瞬間に感じる温度、陰影の中に浮かぶ表情、そして時間とともに深まり続ける存在感。千年家具は、木が持つ本質的な力を空間づくりに活かすため、家具製作の枠を超えてコントラクト事業を本格化させている。

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河口湖畔 隈研吾建築への納品事例

青山・浅草を拠点に一枚板の販売・施工を手がけてきた同社は、その知見と技術をもとに、ホテルや店舗のカウンター、壁面の羽目板、組子のパーテーション、ナグリ加工の床材など、建築空間全体を構成する「木の表現」に踏み込む。

全国の木工職人と連携しながら、素材選定から加工、塗装、施工に至るまでを一貫して対応。乾燥や反りへの配慮、セラウッド塗装などの機能性仕上げまで、プロジェクトごとに最適な提案を行い、建築家やデザイナーと設計段階から対話を重ね、木が建築と共鳴する空間をかたちづくる。それは「家具」というカテゴリに収まらない、素材と空間の新たな関係を描く挑戦でもある。

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原板の保有数は業界一ともいわれる

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職人が丁寧に削りだす

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セラウッド塗装などの機能性仕上げ

2025年10月、隈研吾建築都市設計事務所による建築に納品された一枚板は、富士山麓の自然と静かに共鳴している。光と陰、静寂と時間、建築と木。それぞれが溶け合うように構成された空間には、木の息づかいが確かに宿っている。この空間を舞台に撮影される映像作品では、「光と陰」「静寂と時間」「建築と木」という3つのテーマが掲げられ、余白を生かした構成の中で“静けさの中に力強さを宿す”世界観が描かれる予定。

「建築は、自然に対して威張る存在ではない」と隈は語り、千年家具もまた、この思想に共鳴し、過剰な装飾を排した“静かな存在感”を追求する。木目の呼吸、光と影のゆらぎ、空気の質感。そうしたすべてが響き合う瞬間こそ、木の本質が最も美しく立ち上がると考えている。

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富士山麓の自然と共生する建築

青山のコントラクトオフィスには“木のアトリエ”を設け、設計者との打ち合わせやサンプル確認の場を提供。また、浅草本店では無垢材や一枚板の展示を通じて、一般顧客にも木の魅力を直接伝えている。

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「木の哲学」を、空間全体へと広げる “進化”

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一枚板が、空間の物語をつくる

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木のもつ物語性と、建築の思想をつなぐ

「一枚板の延長線上に、建築の中の木がある」

千年家具のコントラクト展開は、単なる事業拡大ではなく、木と空間の関係性を深める“進化”である。建築、デザイン、そして木。それぞれが持つ物語が交差し、新たな空間の可能性が生まれる。千年家具は、その対話を紡ぐ存在でありたいと願っている。