北欧デザインの誕生背景をイラスト付きのポイント解説や豊富な写真とテキストにより読み解く
誠文堂新光社は、2022年10月12日に、『「北欧デザイン」の考え方——プロダクト、建築、テキスタイル 名作をつくった人と時代とアイデンティティ』を発売する。シンプルで洗練されたデザイン家具や日用品が日本でも年齢を問わず愛され続けている北欧デザイン。近年では環境や社会福祉に配慮した素材選びや生産体制など、北欧のものづくりの思想や価値観そのものが「北欧デザイン」という現代的なデザイン・ライフスタイルとして広く浸透しつつある。
一方で、アアルト、ヤコブセン、マリメッコ、アラビアなど、個別のブランドやプロダクトに関する解説本などを目にするものの、デザイナー同士のつながりや、家具、建築、テキスタイル、工芸、グラフィックといった北欧デザインの諸ジャンルを総合的に解説する日本語の書籍はなかった。本書では、北欧デザインの全体像を解説するため、横断的な章立てによりトピックを厳選。よく知る北欧デザインの誕生背景をイラスト付きのポイント解説や豊富な写真とテキストにより読み解いていく。世界に愛される「北欧デザイン」の今までとこれからを学べる一冊となっている。
目次
- 北欧デザインを紐解く前に……
- 北欧各国のデータ
1章:北欧デザインの目覚め
- 1-1:北欧におけるデザイン意識の萌芽
- 1-2:女性の仕事から始まったテキスタイルデザイン
- 1-3:陶磁器とガラス分野のモダニズム開花
2章:黄金期を迎える北欧
- 2-1:アメリカにおける北欧デザイン
- 2-2:デザイン・イン・スカンジナビア展
- 2-3:職人たちの手による家具
- 2-4:アルネ・ヤコブセンが目指した有機的なフォルム
- 2-5:アルヴァ&アイノ・アアルトが生み出した息の長いプロダクト
- 2-6:フィンランドデザインの良心 カイ・フランクの思想
- 2-7:ローカルとグローバルを繋ぐ北欧のグラフィック
- 2-8;マリメッコがもたらした革新性とデザイン
- 2-9:北欧の人々が愛する照明の数々
- 2-10:ファンシーではない北欧の玩具デザイン
- 2-11:日本の民芸運動と北欧デザインの繋がり
3章:新しい北欧デザインへ
- 3-1:大量生産品にも現れる北欧らしいデザインとは
- 3-2:テクノロジーとともに進化したプラスチックの可能性
- 3-3:北欧のエルゴノミクスデザイン
- 3-4:2000年以降のライフスタイルデザイン
- 3-5:アウトドアアクティビティの宝庫 北欧で発展したデザイン
- 3-5:北欧らしさを追究したデザイン
コラム
- 1930年ストックホルム博
- グスタフスベリ・スタジオとリサ・ラーソン
- ビルゲル・カイピアイネンとルート・ブリュック
- H55について
- オーナメントの普及と北欧デザインの幸福度
- スウェーデンガラスとエリック・ホグラン
- 北欧のデザイン教育
データ編
- 年表
- 索引
- フォトクレジット
- おわりに
- 主要参考文献一覧
渡部 千春(わたべ・ちはる)
1969年生まれ。デザインジャーナリスト。東京造形大学准教授。著書に『北欧デザイン1-3』(プチグラパブリッシング、2003-2004年)、『これ、誰がデザインしたの?』(美術出版社、2004年)、『20世紀デザインヒストリー』(プチグラパブリッシング、2005年)、『北欧デザインを知る』(NHK出版、2006年)など。
『「北欧デザイン」の考え方』書籍概要
著者 | 渡部 千春 |
仕様 | A5変判、224ページ |
定価 | 2,970円 |
発売日 | 2022年10月12日 |