国内全上場企業の関連ウェブコンテンツを調査
サステナビリティ情報開示に関する調査および第三者評価を行っているサステナビリティコミュニケーション協会は、サステナビリティ関連ウェブコンテンツの情報充実度で格付けした「サステナビリティサイト・アワード2023」を発表した。本アワードは、当協会が上場企業のサイトでの情報開示の実態調査を目的として、2017年に日本で初めてのサイト総合調査および格付けとして発表してから毎年行っており、今回で7回目となる。
アワード概要
本アワードは、国内全上場企業および非上場大手企業のサイトにおいて、開示上で重要な要素にそって情報充実度調査を実施し、総合的に優れたサイトを全体の上位約1%を目処に「ゴールド(最優秀賞)」「シルバー(優秀賞)」「ブロンズ(優良賞)」のクラスで表彰。
表彰企業
ゴールド(4社)
- 三井金属鉱業
- 野村ホールディングス
- 三井不動産
- ソフトバンク
シルバー(30社)
- 日本水産
- 大成建設
- 住友林業
- 大和ハウス工業
- 森永乳業
- 明治ホールディングス
- キリンホールディングス
- 不二製油グループ本社
- 双日
- 日清食品ホールディングス
- 野村不動産ホールディングス
- 三井化学
- ライオン
- 高砂香料工業
- 横浜ゴム
- ダイフク
- 日立製作所
- 富士通
- デンソー
- ローム
- 日産自動車
- ヤマハ発動機
- SCREENホールディングス
- 凸版印刷
- 東京エレクトロン
- サンゲツ
- 三菱地所
- 東京建物
- イオンモール
- 日本郵船
ブロンズ(5社)
- アサヒグループホールディングス
- コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス
- 住友ゴム工業
- 日本特殊陶業
- 東急不動産ホールディングス
安藤光展(本アワード審査員長、サステナビリティコミュニケーション協会・代表理事)より総評
今回は全上場企業が注目すべきゴールド受賞企業は4社となった。今回から評価項目の大きな変更があり、昨年の6社から総入れ替えのランクインとなっている。今回の調査から評価テーマを、グローバルな情報開示ガイドラインで活用されている4つの視点「ガバナンス・戦略・リスク管理・目標と指標」を取り入れ、より社会トレンドを活用した評価へと変更。こちらは、2022年11月に発表された金融庁 「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案なども参考にしている。ここ数年で大手上場企業を中心にサイトの充実が顕著となっており、ESGの基礎的な項目に加えて、戦略や独自の取組みなどの開示も増えている。サステナビリティ情報開示は、いよいよ2023年度からいくつかのカテゴリで開示義務化される。サイトのコンテンツ構成にもその影響は少なからずあり、ほとんどのステークホルダーが接点となるのがサイトであり、サイトが果たす役割はますます重要となる。
調査コンセプト
全上場企業のサイトにおける情報充実度を調査し、日本で最も優れたサイト運営をする企業を抽出する。
調査対象
国内全上場企業(2022年7月31日時点)および一定の事業規模がある大手非上場企業の合計4,095社の、コーポレートサイトおよび特設サイトのサステナビリティ / CSR / SDGs / ESG / CSV / 社会・環境などに関する総合的に説明された日本語のコンテンツ・ページが調査対象。統合報告書やサステナビリティレポートはウェブコンテンツ化した場合のみ評価対象。
調査期間
2022年8月1日から2022年12月23日まで
調査手順
- 一次選考:対象企業において情報充実度評価をし基準を満たした企業を抽出(121社)
- 二次選考:抽出された企業をスコアリングしランキング化してノミネート(39社)
- 最終選考:ノミネート企業を格付要件に照らし合わせて絞り込みアワード受賞企業を選定
評価方法
評価方法は、サステナビリティ情報開示で開示すべき主要要素を基準に実施。本調査より、評価項目を大幅に変更し、ISSB等の国際開示ガイドラインで重視される枠組みである4つの開示構成要素「ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標」を包括的な評価要素として取り入れた。調査対象企業へのヒアリングやアンケート調査はなく、専門知識を持つアナリストらが目視でサイトの公開情報のみを調査し評価基準にそって評価。ホールディングスが調査対象の場合はホールディングス自体のサイトを評価。関連会社等へのリンクや情報開示がある場合はそれらの情報を考慮。個別項目の定量的な比較分析はしてない。財務評価による減点はしてない。なお、行政処分等を受けたもしくはステークホルダーへの影響力が大きい不祥事を起こしたと判断される企業は省いているため、高評価企業でもランク外となっている場合がある。サイトはマルチステークホルダー向けのコンテンツの想定であるため、必ずしも投資家目線では評価していない。
アワード格付要件
ゴールド(最優秀賞)
- 各情報が具体的かつ網羅的に開示されサイト自体の完成度が極めて高い
- ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が具体的で十分に行われている
- 他の企業のサイトの模範となる品質である
シルバー(優秀賞)
- 「ゴールド」には至らないものの情報充実度が高い
- ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
- 他の企業のサイトの模範となる品質である
ブロンズ(優良賞)
- 「シルバー」には至らないものの情報充実度が高い
- ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
サステナビリティコミュニケーション協会
サステナビリティ情報開示に関する調査および第三者評価を通じ、日本企業のサステナビリティコミュニケーションの品質向上支援および啓発・普及・促進を行い、健全で持続可能な社会・経済の発展に貢献する支援活動を行っている。2016年8月設立。