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都市の多層性と自由の在り方を映し出す

NY タイムズスクエアで開催される世界最大級のデジタル・パブリックアートプログラム「Times Square Arts’ Midnight Moment」で、ニューヨークを拠点とする現代美術家・松山智一による最新映像作品《Morning Again》の1か月間の上映が2026年4月1日(水)より開始された。本プログラムでは、毎晩23時57分から0時までの3分間、41丁目から49丁目に位置する96以上の巨大LEDスクリーンが連動し、松山による映像作品が上映され、広告の光が消える180秒間、都市の鼓動とアートが溶け合う体験となっている。

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Photo(s) by Michael Hull courtesy of Times Square Arts

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Photo(s) by Michael Hull courtesy of Times Square Arts

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Photo(s) by Michael Hull courtesy of Times Square Arts

「Midnight Moment」は 2012年にTimes Square Artsが始動した、ニューヨークの象徴的空間をキャンバスに変えるパブリックアートプロジェクト。過去にはデイヴィッド・ホックニーやオラファー・エリアソンなど、世界のトップアーティストがこの舞台に立ち、作品を発表してきた。本プログラムは年間約250万人が目にしていると言われている。

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本作『Morning Again』は、Prayer(心の自由)、Pulse(都市の自由)、Self-Expression(個の自由)、Transformation(性の自由)というFour Pillars <四つの自由>をコンセプトに、現代社会の縮図として、ニューヨークに流れ込む多様な文化的な「力」を抽象的に視覚化した映像作品。ニューヨークの多様性を体現する人物たちが登場し、その中には松山の友人でもあるニューヨーク在住の実在人物が含まれ、彼らはミューズとして着想の源となると同時に、現代社会と響き合う象徴的な存在として描かれている。

アーティストステートメント

「Morning Again」は、現代のニューヨークをかたちづくっている、目に見えない力の作用を描いた映像作品です。

特定の人物像を描くのではなく、希望、リズム、自己表現、変容という四つの要素を通して、都市を動かし続けるエネルギーに光を当てています。

作品の中に現れるのは、誰かの肖像ではありません。

この街に重ねられてきた思想や価値観、感情の積層が、光や動き、色彩、揺らぐかたちとなって立ち現れ、都市そのものの性質やあり方として可視化されます。

舞台となるのは、ニューヨークの鼓動が集まるタイムズスクエアです。

巨大なLEDスクリーンをキャンバスに、歴史が折り重なり多様なアイデンティティが序列なく共存する都市の姿が光と動きによって描き出されます。

立ち上がる光、広がる色彩、揺らぐかたちは、都市の内側に流れるリズムを伝え鑑賞者をその空間へと引き込んでいきます。

鑑賞者は立ち止まり、目の前に展開するイメージへと自身を投影しながら、変化し続ける都市の動きを感じ取ります。

希望へと伸びる光、街の鼓動を運ぶ振動、存在を肯定する色と動き、輪郭を変え続けるアイデンティティそれらが交わり、溶け合い、再び組み替えられることで、移民の歴史と多様な文化を抱えてきたニューヨークならではの共有されたエネルギーが浮かびあがります。

不確実さや分断が意識される時代にあって、本作は多様性と自立した個のあり方を肯定しながら、違いを抱えたまま共に進んでいく未来の可能性を静かに示しています。

松山智一

松山智一

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Photo: FUMIHIKO SUGINO

1976年岐阜県生まれ。上智大学卒業後に渡米し、Pratt Instituteを卒業。現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に、絵画・彫刻・インスタレーションを横断する制作を発表。

近年の主な個展に、「Tomokazu Matsuyama: Morning Sun」(エドワード・ホッパー・ハウス美術館/ニューヨーク州ナイアック、2025年)、「Liberation Back Home」(SCADミュージアム・オブ・アート/ジョージア州サバンナ、2025年)、「FIRST LAST」(麻布台ヒルズ ギャラリー/東京、2025年)、「Mythologiques」(第60回ヴェネツィア・ビエンナーレ/ヴェネツィア、2024年)などがある。

作品は国内外の美術館に収蔵され、近年では代表作《You, One Me Erase》がクリスタル・ブリッジズ・アメリカン・アート美術館(アーカンソー州ベントンビル)に収蔵された。パブリックアートでは、バワリー・ミューラル(ニューヨーク、2019/2023年)、JR新宿東口駅前広場《花尾》(東京、2020年)、イスタンブール・ビエンナーレ出品作《Nirvana Tropicana》《United We Stand Divided》(イスタンブール、2022年)、フラットアイアン・プラザ《Dancer》(ニューヨーク、2022年)などを手がけている。