“これをもって私の祈りの最終章としたい(ロートレアモン / 水谷孝)”
世界的な伝説になっているともいわれているロックバンド「裸のラリーズ(Les Rallizes Dénudés)」の詩集刊行記念「The Last One」展が渋谷パルコ3F MARC JACOBS EVENT SPACEで2023年12月1日(金)から10日(日)まで開催される。初日12月1日には、写真を提供した中村趫、編集を担当した哲学者の市田良彦、そして詩集のアートワークを担当し、長年「裸のラリーズ」の舞台美術を担った宇治晶が、水谷孝と「裸のラリーズ」の世界について語るトークイベントも予定されている。
「裸のラリーズ」は、1967年に京都で結成。リーダーである水谷孝による暴力的なまでのギターの音響と極めて文学的な歌詞によって独自の世界を構築した。1991年に3枚のアルバムをCDでリリース、その後も断続的にライヴを重ねつつ、2019年にリーダー水谷孝が逝去するまでその孤高の地位を保ち続け、現在ではその音楽の価値と意義が世界的に注目を集めている。
メンバーのひとりであった久保田麻琴のプロデュースによって過去のアルバムやライヴ音源等が公式にリリースされ、少しずつそのバンドと水谷孝の世界が明らかになる中、この12月、水谷孝によって歌われた詩とオリジナル・メンバー中村趫の写真による裸のラリーズ詩集『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集』が刊行された。長年一度も公式に印刷されることがなかった「裸のラリーズ」の歌詞と水谷の文学的な達成を明確なものにし、彼らのサウンドと同様に重要な芸術面を検証するものである。
著者プロフィール
水谷孝(1948-2019)
1967年ロックバンド「裸のラリーズ」を京都で結成。1970年の秋から東京へ拠点を移し、ライヴを中心に活動。1991年、3枚のオリジナル・アルバム『’67-’69 Studio et Live』、『Mizutani / Les Rallizes Dénudés』、『’77 Live』を同時リリース。
中村趫:写真
1949年生まれ。裸のラリーズの結成時メンバーで、数年を除き70年代を通じて同バンドに在籍(中村武志名義)し、セカンドギターを担当。1980年代以降は写真家(中村趫名義)として活動。1987年に最初の個展「仮面の肖像」を開催して以来、女性や関節人形をモチーフに独特の耽美的写真作品を発表してきたが、2001年9.11を契機に自己世界の解体を通して新たなる覚醒の地平を目指す。主な個展に「LABYRINTHE」(ゴダント/神戸/1991年)、「沈黙の劇場」(美蕾樹 / 渋谷 / 1997年)、「メランコリアの楽園」(パラボリカ・ビス / 浅草橋 / 2011年)、「辺縁の森へ」(アスタルテ書房 / 京都 / 2018年)、「幻の50年」(マロニエ / 京都 / 2021年)などの他、グループ展や出版物への掲載など多数。
市田良彦:編集・解説
1957年生まれ、神戸大学名誉教授。著書に、『ルイ・アルチュセール──行方不明者の哲学』(岩波新書)、『存在論的政治──反乱・主体化・階級闘争』(航思社)、『革命論──マルチチュードの政治哲学序説』『アルチュセール ある連結の哲学』『闘争の思考』(以上,平凡社)、『ランシエール新〈音楽の哲学〉』(白水社)など。訳書に、ルイ・アルチュセール『終わりなき不安夢──夢話1941─1967(附:二人で行われた一つの殺人)』(書肆心水)、『哲学においてマルクス主義者であること』(航思社)、『政治と歴史──エコール・ノルマル講義1955─1972』(共訳,平凡社)、『アルチュセール哲学・政治著作集』全2巻(共訳,藤原書店)など。
『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉』裸のラリーズ詩集 書籍概要
著者 | 水谷孝 / 写真: 中村趫 |
編者 | 市田良彦 |
造本装丁 | 宇治晶 |
価格 | 9,900円(税込) |
ISBN | 978-4-909856-01-2 |
仕様 | 248ページ / 箱入り / CD付 |
発行 | The Last Musique |
発売 | SLOGAN |
裸のラリーズ詩集刊行記念「The Last One〈Poésies: Les Rallizes Dénudés〉」開催概要
会期 | 2023年12月1日(金)~10日(日) |
会場 | 渋谷パルコ3F MARC JACOBS EVENT SPACE |
URL | https://tinyurl.com/mwkbpbmd |