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個人の体験から生まれたアイデアを掘り下げ、未来のスタンダードを描く

才能あるデザイナーの応援と共創を目的とするプロダクトデザインの国際コンペティション「コクヨデザインアワード2026」が、グランプリ作品と優秀賞を決定した。23回目を迎えた本アワードでは、テーマを“波紋/HAMON Design that Resonates”とし、個人の体験から生まれたアイデアを掘り下げ、さまざまな方向から検討することで、未来のスタンダードを描く。そんな一石を投じるプロダクトデザインを募集。国内外60か国から合計1,344点(国内785点、海外559点)の作品が集まった。

グランプリと優秀賞受賞者には、一石を投じることで起きた波紋をモチーフとしたトロフィーと、本アワードのメインビジュアルである石をデザインに使用し一枚一枚異なるデザインに仕上げた表彰状が授与された。

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トロフィー

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表彰状

受賞作品詳細

グランプリ(1作品)

作品名:ノートの素
作者:神成 紘樹

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作品概要:糊付けし、背固めした中紙の束です。量と表紙の選定をユーザーに委ね、ノートになる少し前の姿に戻すことで、量産性とパーソナライズの両面を受容するプロダクトになると考えました。多様化が加速し、モノが溢れる今の時代だからこそ、使い手のみならず、作り手、売り手にとっても意味のある提案になると幸いです。

優秀賞(3作品)

作品名:g(グラム)
作者:東出 和士

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作品概要:長年使い慣れたペンの、同じ形状で素材だけが異なるモデルを手に取った時、わずかな違和感を覚えました。その正体はたった数グラムの重さでした。“g(グラム)”は、形や素材を変えず、重量だけを繊細に調整したペンシリーズです。書く心地よさは一様ではなく、数グラムの違いによる心地よさや違和感は、多くの人が無意識のうちに感じている感覚でもあります。重さという一点に焦点を絞ることで、自分でも気づいていなかった感覚が静かに浮かび上がる体験をもたらします。

作品名:縁で見分けるノート
作者:塚本 裕仁

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作品概要:「見分けたいけど揃えたい」を叶える、表紙の縁に小口染めを施した真っ白なノートシリーズです。控えめでさりげない縁部の配色によりノート同士の識別を可能としつつ、そのシンプルな外観はデスクや本棚に美しい統一感をもたらします。また、着色範囲が表紙全面でなく縁のみであるため、インク使用量を抑えることができ、環境負荷低減にも寄与します。必要最小限に引き算されたこのノートは、視界を静かに整え、学びや創作への集中を促します。

作品名:うつろう手帳
作者:五十嵐 瑞希 瀧澤 樂々

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作品概要:日ごとに予定の量が違ったり、日を跨ぐ予定があったりするのに対し、従来の手帳は1マスの大きさが同じで、罫線によって日と日がきっぱり区切られている。私たちはそのような手帳のあり方に疑問を感じ、「うつろう手帳」を制作した。この手帳には罫線がなく、白とグレーのグラデーション(うつろい)のみで日々を分けている。これにより、書き手は予定の量に応じて1マスの大きさを自分で決めることができ、日を跨ぐ予定もつながりを感じながら書き込むことができる。

審査員

木住野彰悟(6D-K代表、アートディレクター・グラフィックデザイナー)

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1975年東京都立川市出身。2007年にグラフィックデザイン事務所6D設立。企業や商品のビジュアルアイデンティティをメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなど幅広く手掛ける。主な受賞にD&AD、カンヌ、One Show、アジアデザイン賞、ADC賞、JAGDA賞、パッケージデザイン賞、サインデザイン賞 他国内外多数受賞。

田村奈穂(デザイナー)

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Parsons School of Designにてコミュニケーションデザインを学んだ後、工業デザインを専門にするSmart Design(米)を経て独立。 現在はニューヨークを拠点に、プロダクトからインスタレーション、空間デザインまで幅広く活動中。自然とテクノロジー、感性と機能性、繊細さと力強さ、2つの点のバランスが取れたデザインを探求し、作品はパリPalais De Tokyo美術館からミラノサローネ家具見本市など発表場所は多岐に渡る。国際的なアワードを多数受賞。

森永邦彦(ANREALAGEデザイナー)

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1980年、東京都国立市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い服づくりをはじめる。2003年「アンリアレイジ」として活動を開始。2014年よりパリコレクションへ進出。2019年フランスの「LVMH PRIZE」のファイナリストに選出、同年第37回毎日ファッション大賞受賞。2020年伊・FENDIとの協業をミラノコレクションにて発表。2021年ドバイ万博日本館の公式ユニフォームを担当、2023年・25年ビヨンセのワールドツアー衣装をデザイン。2024年メンズレーベル「anrealage homme」を始動。

柳原照弘(TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO.CO LTD.デザイナー)

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神戸と仏アルルにスタジオ兼ギャラリースペース「VAGUE」を構え、日本・フランス・イギリス・オランダ・台湾を拠点に国やジャンルの境界を越えたプロジェクトを手がける。インテリアデザイン・プロダクトデザイン・クリエイティディレクション・アートディレクションなど包括的な提案を行う。

吉泉聡(TAKT PROJECT 代表、デザイナー)

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デザインを通して「別の可能性をつくる」実験的な自主研究プロジェクトを行い、国内外の美術館や展覧会で発表・招聘展示。その成果をベースにクライアントと多様なプロジェクトを展開している。主な受賞に、Dezeen Awards Emerging Designers of the year 2019(イギリス)、Design Miami/ Basel Swarovski Designers of the Future Award 2017(スイス)、FRAME Awards(オランダ)、iF Design Award Gold(ドイツ)、Red Dot Design Award(ドイツ)、German Design Award(ドイツ)、第25回桑沢賞など。3つの作品が、香港の美術館M+に収蔵されている。23年、21_21 DESIGN SIGHT企画展「Material, or 」の展覧会ディレクターを務める。

黒田英邦(コクヨ株式会社 代表執行役社長)

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1976年、兵庫県芦屋市出身。2001年コクヨ(株)入社。コクヨファニチャー(株)代表取締役、コクヨ(株)専務を経て2015年にコクヨ(株)代表取締役社長に就任、2024年より現職。2021年に策定した「長期ビジョンCCC2030」において、事業領域の拡大のほか、企業文化や組織・人材の在り方の見直し等、「森林経営モデル」の実現により、2030年に売上高5,000億円を目指すことを発表。創業120周年を迎えた2025年には、コーポレートメッセージを「好奇心を人生に」に設定した。2024年からACC TOKYO CREATIVITY AWARDS デザイン部門の審査委員を務める。

コクヨデザインアワード

2002年にコクヨが創設し、今回で23回目を迎える国内屈指の歴史あるプロダクトデザインコンペティション。毎回世相を反映するテーマで作品を募集し、優れたプロダクトデザインを選定するのみならず、受賞作品については受賞者とコクヨ開発者の共創で製品化を行ってきた。これまでに生み出された製品の数は20点を超えている。生活や仕事に身近な道具に新たな息吹を吹き込むデザインを、確かな製品として世に送り出すことで、デザイナーの今後の活躍を後押しする。